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鈴木領一(すずりょう)のビジネスの超ヒント!

会社も社員も不幸にする「正社員採用」というギャンブル 甚大な労力をかけても無駄?

文=鈴木領一/ビジネス・コーチ、ビジネスプロデューサー

「仕事の内容・やりがい」を見るとほとんど差がなく、「正社員との人間関係、コミュニケーション」もほとんど差がない。さらに、「現在(正社員以外)の就業形態を選んだ理由」を見てみよう。

会社も社員も不幸にする「正社員採用」というギャンブル 甚大な労力をかけても無駄?の画像3厚生労働省「就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況」より

「自分の都合のよい時間に働けるから」という自分都合の理由が一番多く、「正社員として働ける会社がなかったから」という外的要因は5番目である。

 前回の衆議院総選挙で某党が、「夢は正社員になること」というフレーズをテレビCMでも多く露出し、まるで派遣が悪かのように強調して戦ったが、今から見れば極めて偏った考えであったことがわかる。

 野中氏が言うように、就職しなければその仕事が自分に向いているかどうかわからないという従来のビジネス慣習では、ストレスに押し潰され、自分の可能性を閉ざしてしまう若者を輩出し続ける可能性がある。

 派遣のような新しい働き方で、仕事の向き不向きを確認しながら、自分の可能性を試していくかたちが今後の新しいワークスタイルとなるだろう。

 野中氏は、この点についてこう加えた。

「安定した職に就くことは大切です。ただ、正社員にこだわりすぎている世の中の風潮には、少し危機感を覚えています。雇用形態よりも職場環境と自分との相性を重視すべきだからです。

 例えば、田中君はA社では評価が低かったけれど、B社に移ったら一転して高い評価を受けたりします。田中君本人もまるで別人かのように毎日を明るく前向きにすごせるようになります。結局、仕事は職場の雰囲気や人間関係に自分が向いているかどうかが大きく左右するのです。

 現在、派遣法の改正案が国会で議論されています。非正規雇用の不安定性ばかりが取りざたされておりますが、派遣社員から正社員へステップアップできる道筋についてもっと議論されるべきだと思います」

鈴木領一/コンサルタント

鈴木領一/コンサルタント

 思考力研究所所長。行政機関や上場企業の事業アドバイスをはじめ目標達成のためのコーチングも行っている。プレジデント誌などビジネスメディアへの記事寄稿多数。また100の結果を引き寄せる1%アクション(サイゾー刊)は、氏のコーチングメソッドを初公開した書籍で、主婦から経営者まで幅広い層に支持されロングセラーとなっている。また、出版プロデュースの活動も行い、代表作には小保方晴子氏の『あの日』(講談社刊)がある。

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