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カール教授の超入門ビジネス講座

銀行は将来不要になる?お金に関するあらゆることを根底からひっくり返す事態が進行中

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 資金調達では審査が厳しく時間もかかる銀行借入やベンチャーキャピタルからの投資に代わって、プロジェクト毎に企業が個人から少額の資金を集めることができるクラウドファンディングが普及しつつある(オンデック、キックスターター)。株式投資型、社債型、購入型、寄付型などがあり、購入型の場合には投資した個人はそのプロジェクトで将来製造されたものを購入できるというもので、資金を調達するプロジェクト主体からすると一種のプリセールのマーケティング活動ともいえる。日本でも規制緩和が行われたため、今後さらに普及する可能性があるだろう。

 家計簿アプリからその家庭のキャッシュフローの状況を把握できることから、どのように資産運用するべきかを人工知能(AI)を使ってアドバイスする企業も数多く登場している。通常富裕層を相手にした専門家による投資アドバイスは、運用資産の2%程度の手数料がかかるが、それを0.25%からという格安で行う企業も登場している。さらに個人向けのローンなども始まっており、今後は銀行以外が融資を行うケースが増えてくるだろう。

 融資の審査手法も、銀行では従来から決算書や担保の有無など膨大な資料を精査して行ってきたが、フィンテック企業による審査では、会計ソフトのデータ(カベージ)、SNS上でのやり取りや評判などのデータ、eコマースサイトにおける売上推移などのビッグデータを基に行っている点が特徴だ。日本でもマネーフォーワード、freee、マネーツリーなどが実績をあげてきている。

 さらにECプラットフォームである米アマゾンも、出店企業向けのスモールビジネスローンをはじめている。今後eコマース企業は、こうしたローンや売掛金の売買などの金融業務に進出していくだろう。こうしたリアルタイムでの売上情報は銀行でもなかなか把握できないデータであり、銀行がECなど他業種に進出することを真剣に検討し始めている背景でもある。企業にとっては仕入れを増やすことができ、eコマースプラットフォーム側の売上増にも寄与するだろう。

 ほかにも心拍数や歩数などの健康関連の数値測定アプリと保険を組み合わせたものや(オスカー)、個人ごとのクルマの運転走行態度によって保険料が変わる保険などもある。また、セキュリティ関連のベンチャーも数多く登場してきている。

成功サービスの特徴


 以上のように、ありとあらゆるお金に関するビジネスは激変しつつあるが、成功しているフィンテック企業の特徴のひとつは、「安い・早い・簡単」サービスを実現していることと、人々の行動を大きく変えない点だと考えている。