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平均年収1300万、異常な高収益、超秘密主義のあの企業が窮地!中国&富士山リスク?

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ファナックの支店(「Wikipedia」より/Miyuki Meinaka)
 富士山を仰ぐ富士五湖のひとつである山中湖の近く、うっそうと生い茂る樹林の中に日本でもっとも利益率が高い企業の黄色い建物が林立している。ファナックの本社工場だ。工作機械のNC(数値制御)装置はシェア5割超で世界トップ。産業用ロボットは世界4強の一角を占める。営業利益率は4割で無借金の超優良企業で、社員の平均年収が1276万円(『会社四季報 2015年3集・夏号』<東洋経済新報社>より)に上る。一方、これまで投資家向け広報(IR)に消極的で、市場筋の間では秘密主義でも知られている。


 コンピューターウイルスを遮断するため業務連絡はファクシミリで行い、基本的に電子メールは使用禁止だ。IR室は設置されておらず、アナリストとの電話会議も行われていなかった。半分以上が外国人である株主との対話は、四半期ごとに公表している決算短信に限られていた。社長の稲葉善治氏はこうした方針について、「競争相手に情報を流さないことも企業戦略の一部だ」と語っている。

 ところがファナックは、徹底した秘密主義から突如、株主との対話を重視する方針に180度転換したのだ。

サード・ポイントとの攻防


 物言う株主(アクティビスト)として有名な米ヘッジファンド、サード・ポイントが、ファナックの“稲葉カーテン”を取り払った。

 2012年末に発足した安倍晋三政権が金融緩和策を打ち出したのをきっかけに、サード・ポイントは日本に注目した。投資拡大のチャンスと判断し、日本に上陸した。

 13年、ソニーを最初にターゲットにした。同社にエンターテインメント事業(映画・音楽部門)を分社化して株式の15~20%を米国で上場することを提案。ソニーはこの提案を拒否したが、パソコンから撤退し、テレビ事業の分社化など赤字が続くエレクトロニクス部門の収益向上策を打ち出した。サード・ポイントは14年10月までにソニー株式を売却。四半期ごとに投資家に送る書簡で「20%近い利益が得られた」と明らかにした。

 次なるターゲットとなったのが、ファナックだった。15年1月に株主へ宛てた書簡で同社株式を取得したことを明らかにし、同社に株主還元策の強化を促した。1兆円の内部留保を取り崩して自社株買いを行うべきだと提言。これにより1株当たりの利益や自己資本利益率(ROE)が上がり、株価も上昇して株主に貢献することになると主張した。14年4~12月期(第3四半期までの累計)時点の利益剰余金は1兆4424億円に上っていた。内部留保を吐き出し、株主に還元せよと迫ったのだ。