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石堂徹生「危ない食品の時代、何を食べればよいのか」

4年前に賞味期限切れ、異物混入…食品廃棄物、スーパー等に幅広く流通し消費者の口に

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「Thinkstock」より
 1月半ば、カレー専門店「カレーハウスCoCo壱番屋」を全国展開する壱番屋【編注1】が廃棄した冷凍カツを、業者が横流しする事件が起きた。これは日本で21世紀初頭から活発化した「危ない食品の事件史」において、極めて異例の事件といえよう。


 近年の食の不祥事件は、関西有名ホテルのレストラン食品偽装(2013年10月)、あるいはアクリフーズ(現マルハニチロ)農薬混入(14年1月)、そしてマクドナルドの期限切れ中国産鶏肉使用(同7月)など、主に大企業を舞台にして起きた。

 ところが、今回の主役は零細・中小企業であり、それも生産から流通を経て消費に至る、“食の動脈”での話ではない。食資源から単なるゴミと化した、産業廃棄物を処理する、いわば“食の静脈”で発生した。つまり表舞台ではなく、裏舞台で起きた。

 この裏舞台での食の不祥事件は、一体何を意味しているのか。そして、今後同様の事態が起こった場合、どのように対処していけばよいのか。今回は前後編の2回にわたってレポートする。前編では事件の経過をより詳細に追い、後編で事件を整理して問題点を摘出し、今後の対応策を模索する。

身内で不正転売発見できて危機回避


 ココイチ廃カツ横流し事件の全貌はまだ解明されていないが、不気味な奥行きの深さと、類似事件への広がりを感じさせる。まず現時点での情報を整理してみよう。壱番屋の報道関係向けのニュースリリース【編注2】によれば、事の経緯はこうだ。

 壱番屋愛知工場(愛知県一宮市)で15年9月2日に製造されたビーフカツ(冷凍5枚入り、賞味期限16年1月30日)に、製造中に異物が混入した可能性があった。そこで、15年10月19日に4万609枚の廃棄を産業廃棄物処理業者のダイコー(愛知県稲沢市)に委託した。

 ところが16年1月11日、壱番屋の系列店(フランチャイジー)のパート従業員がたまたまスーパマーケットで買い物中、廃棄したはずのビーフカツを発見し、不審に思い同社本部に通報した。本部が現物を取り寄せて確認し、調査の結果、ダイコーの転売が判明し、その2日後に先のニュースリリースを発表した。

 それにしても、同社にとっては身内が不正転売を発見し“犯人”を突き止めることができて、まさに危機一髪だったのではないか。これが仮に外部者による発見、あるいはなんらかのトラブルが起きてからの発覚ということになれば、多かれ少なかれ企業イメージのダウンは避けられなかったはずだ。