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大崎孝徳「なにが正しいのやら?」

百円ローソン、大苦戦で店舗激減…百円商品は全体の6割、スーパーより割高、通路狭く窮屈

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ローソンストア100の店舗(撮影=編集部)

 セブン-イレブンを筆頭として好調に見えるコンビニエンスストア業界において、ローソンストア100(ローソン100、100円ローソン)が苦戦しているようです。2013年には店舗数が1200店を大きく上回っていたものの、15年には900店を割り込んでいます。

ローソンストア100のコンセプト

 ご存じの方も多いとは思いますが、ローソングループに属するローソンストア100は通常のコンビニとは異なり、「コンビニの利便性」に加え、「100円ショップの均一価格」と「スーパーマーケットの幅広い品揃え」を兼ね備えていると自らのホームページで謳っています。

 普通のコンビニでさえ、十分に消費者の心をとらえており、それに幅広い品揃えと100円均一という価格がプラスされるとなると、これはもう無敵のビジネスモデルといっていいでしょう。

 それにもかかわらず、ローソンストア100が苦境に立たされているのはなぜか。今後、ローソンストア100はいかなる戦略を実行するべきか。こうした大変興味深いテーマに、筆者が受け持つ大学のゼミの学生たちが取り組んだので、今回はその研究を紹介します。

コンビニのビジネスモデル

『すごい差別化戦略』(大崎孝徳/日本実業出版社)
 まずコンビニのビジネスモデルについて整理しますと、普及が本格化してきた1970年代の流通は、ダイエーに代表されるように、より大きな店舗を構えて大量仕入れ・低価格販売、いわゆる薄利多売を強く志向するビジネスモデルが主流でした。一方、コンビニは小規模店舗による定価販売であり、まさに逆をいく戦略でした。

 しかし、24時間営業をはじめとする利便性の訴求により、その後、飛躍的な成功を遂げていくことになります。こうした従来のコンビニのビジネスモデルにローソンストア100は独自のコンセプトで挑戦しているといってよいでしょう。

(1)価格

 ローソンストア100で販売されている商品のうち、100円の商品は全体の6割程度のようです。これを多いと捉えるか、少ないと捉えるかは消費者により異なってくるでしょう。しかし、ほとんどの商品が100円であるダイソーをはじめとする100円ショップとは事情が異なることは明らかです。

 これは、ローソンストア100が100円均一と謳っておきながら、実際は高価格であるということを意味しているわけではありません。100円以下の商品も数多く取り揃えられています。つまり、100円ショップと異なり、もともと100円未満の商品も多い食料品を中心に取り扱う業態において、100円均一とする料金設定は極めて困難であるということです。

 単純に価格に注目した場合、ローソンストア100は定価販売を主とするほかのコンビニよりポテトチップスで15%、スポーツドリンクでは30%程度安いことが学生の店頭調査からわかっています。しかし、比較対象をスーパーやドラッグストアにすると、2割程度高価格となるようです。もっとも、こうした業態と比較するのは酷なことかもしれません。

 食品を中心とする品揃えのコンビニという業態において、100円均一の価格のインパクトはそれほど大きくはなく、むしろほかのコンビニより低価格であることを徹底的に訴求するほうが得策かもしれません。