2016年は「民泊元年」といわれている。そこで筆者も今年の出張は民泊、なかでもAirbnb(エアビーアンドビー)、通称エアビーに宿泊することを自らに課している。今までに民泊には3回宿泊したことがある。そこで今回は、これまでの経験を基に「エアビーの経済学」として紹介したい。
エアビーとは、08年に米国で設立されたサービスで、インターネットを通じて部屋を貸したい人(ホスト)と、利用したい旅行者(ゲスト)をつなげる宿泊サイトのことをいう。世界190カ国以上に展開し、日本にも14年5月に上陸。以降、利用者が急増中だ。
ゲストはサイトを通じてホストに直接宿泊を申し込む。宿泊料金の相場は1カ月の想定家賃の10分の1程度。仮に30万円の家賃のタワーマンションとすれば、1泊3万円だ。部屋タイプは3種類ある。「個室」と「シェアルーム」は、ホスト自身が住んでいる家の空き部屋などに泊まるタイプ。そしてもうひとつは、ホテルのように宿泊できる「まるまる貸切」タイプだ。
実は、このまるまる貸切タイプが問題になっている。日本でまるまる貸切タイプを利用するのは、ほとんどが外国人旅行者だ。彼らは日本のルールを知らないために、各地でトラブルを巻き起こしている。社会問題となっているということで、実際に泊まってどこに問題があるかを確認してみた。
宿泊までの流れ
今回利用したのは、まるまる貸切タイプで1泊1万2000円台。ざっと予約から宿泊までを振り返ってみる。
エリア、価格などで部屋検索をするだけならば、エアビーのサイトで可能だ。エアビーのサイトを見ると、それぞれの表示された宿泊料金のほかに3000~6000円程度の清掃料金がかかる。今回の宿泊物件では、宿泊料金が6000円で、清掃料金を含めて1万2000円台となっている。
サイトでめぼしい物件が見つかったら、「予約リクエスト」と「メッセージ(泊まりたい理由などを書く)」を送り、ホスト側の許可を待つ。このやりとりが面倒な人は、「予約リクエスト」がない「今すぐ予約」が可能な物件の中からも選ぶこともできる。
予約が完了すれば、カード決済手続へ進むと同時に(実際に決済されるのは宿泊後)ホストから詳細な「Direction」メールが送られてくる。その内容は、利用ルールやカギの受け渡し方法といった宿泊にまつわる注意事項だ。
宿泊前日から当日は「チェックインが何時になるか」などのメールのやりとりをして、カギの受け渡し。宿泊後にカギを返して終わりだ。
その後、サイト上でホストは宿泊客、宿泊客は部屋のレビューをそれぞれ書き込むというのが一連の流れだ。ちなみに、お互いのレビューを見ることができるのは、それぞれのレビューを書き終わったあとだ。