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タニタ食堂、店舗激増で「ただの食堂」化?本業伸び悩みで食&弁当宅配注力は無謀な賭けか

文=編集部
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タニタ食堂、店舗激増で「ただの食堂」化?本業伸び悩みで食&弁当宅配注力は無謀な賭けかの画像1タニタ本社(「Wikipedia」より/Kentin)

 体重計メーカーとしてトップシェアを誇るタニタは2月から、「タニタ食堂」が監修した弁当を宅配するサービスを始めた。併せて、タニタ食堂も2018年度中に現在の3倍の60店舗に増やす。運営委託などで全都道府県に拠点網を広げ、年間売上高5億円を目指すとしている。将来は80店舗を視野に入れているようだ。

 宅配は首都圏1都3県が対象。タニタはメニュー開発に協力し、給食事業を手がけるレパストが調理したのち、同社の宅配網で届ける。価格は朝食と夕食のセット5日間で、税別1万1000円(配達料込)。1年間で10万セットの販売を見込む。

 タニタ社長の谷田千里氏は弁当宅配への進出について、1月31日付日本経済新聞記事の中で「食事で健康になるには継続が必要だ。タニタ食堂はカロリーや塩分を抑えたレシピが売りだが、まだ通う人は少ない。弁当として毎日自宅に届ければ必然的に続けられる」と語っている。

 谷田氏は、08年に36歳の若さで家業を継いだ3代目社長であり、タニタ食堂の多店舗化と弁当宅配を進めている。

「タニタ食堂」の知名度は全国区

 タニタは体脂肪計など健康ビジネスを経営の柱に据えた会社だ。1999年に本社に社員食堂をオープンするにあたって、社員の健康の維持・増進のためにメニューの塩分を控えめにし、カロリーは1食当たり500kcalに抑えた。

 09年に転機が訪れる。「おいしく、お腹いっぱい食べていたら、知らないうちにやせていた」をコンセプトにした社食があることを伝えたオンライン情報誌が、NHKスタッフの目に留まった。NHKは同年4月19日放送のテレビ番組『サラリーマンNEO』のコーナー「世界の社食から」でタニタの社員食堂を取り上げた。

 これを見た大和書房の女性編集者から500kcalの健康食をレシピ本にする話が舞い込んだ。『体脂肪計タニタの社員食堂』はシリーズ累計で500万部以上という爆発的なヒットとなった。

 これをきっかけに谷田氏は外食事業に取り組むことを決意する。同氏は高校卒業後、調理師免許を取得して料理人を目指したが腰を痛めて断念した。家業を継いだものの、食はもともとやりたかった仕事だった。社内の猛反対を押し切って「タニタ食堂」の展開を開始した。

 12年1月、大和書房のレシピ本を基にしたメニューを提供する「丸の内タニタ食堂」を東京・丸の内の国際ビルで開業した。テレビが一斉に取り上げたことで「タニタ食堂」の知名度は全国区になり、年間7200万円を売り上げた。

BusinessJournal編集部

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