4月1日、横浜銀行と東日本銀行が経営統合し、共同持ち株会社、コンコルディア・フィナンシャルグループ(FG)が誕生する。総資産は合計で17.4兆円となり、この時点で国内最大の地方銀行グループとなる。
社長には横浜銀行の寺澤辰麿頭取、副社長には東日本銀行の石井道遠頭取が就く。持ち株会社の本店は東京に置く。新グループは東京都内の営業網も強化する方針で、発足後5年間で都内の営業拠点を5割増やし100とする計画だ。
しかし、コンコルディアFGは地銀グループ首位の座を1年で降りることになる。福岡銀行、熊本銀行、親和銀行を傘下に持つふくおかフィナンシャルグループ(FG)は、2017年4月をメドに十八銀行を子会社にする。ふくおかFGの総資産は18.4兆円となり首位の座を奪還する。
16年10月には常陽銀行と、足利銀行を傘下に持つ足利ホールディングス(HD)が経営統合する。統合後の総資産は14.9兆円で業界3位の地銀グループに浮上する。人口減に直面する地域銀行(地銀と第二地銀)の生き残りを賭けた再編が加速している。
常陽銀行と足利HDの統合で3位から4位へと順位を落とすことになる千葉銀行と5位から6位になる静岡銀行が再編に動くかどうかに関心が集まる。
地銀再編の主戦場は関東
全国地方銀行協会(地銀協)に加盟している銀行は64行、第二地方銀行協会(第二地銀協)に加盟しているのは41行。今後は、1県に地銀1行、第二地銀1行といった従来の枠組みを超えた広域再編が進むことになるとの見方も強い。
主戦場は17の地銀グループがひしめいている関東圏だ。個別銀行の資金規模は横浜銀行、埼玉りそな銀行(りそなホールディングス傘下)、千葉銀行、常陽銀行、群馬銀行、足利銀行(足利HD傘下)の順である。
横浜銀行と東日本銀行のコンコルディアFG、常陽=足利HD連合、東京都民銀行と八千代銀行、さらに16年4月にグループ入りする新銀行東京の3行を傘下に持つ東京TYフィナンシャルグループが大きなグループを形成した。取り残されたかたちの地銀各行は、先行するグループに合流するか、それとも別の集団を形成するか。判断が分かれるところだ。
足利銀行に抜かれる群馬銀行が狙っているといわれているのが武蔵野銀行だ。統合すれば千葉銀行に迫る経営規模になる。