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北海道新幹線、予約率2割で50億赤字確実…経営危機のJR北海道、鉄道事業継続困難を示唆

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北海道新幹線(「Wikipedia」より/Sukhoi37)

 北海道旅客鉄道(JR北海道)は2016年度(17年3月期)の事業計画を発表した。

 収支計画では北海道新幹線開業や外国人観光客の利用増などで、売上高にあたる営業収益は15年度見通しと比べ97億円(17%)上積みした920億円を見込んでいる。半面、新幹線が大幅な赤字になる見込みであることや安全投資や修繕費がかさむことから、営業損益は465億円の赤字になるとした。

 290億円は経営安定化基金の運用益で穴埋めするが、残りの175億円が経常赤字として残る。経常赤字は過去最大となる。

 国からの支援である設備投資助成金や保有する資産を売却して特別利益を捻出するが、それでも最終損益は44億円の赤字(15年度は28億円の黒字)と予想する。11年度以来5期ぶりに赤字となる。

 北海道新幹線は111億円の収入に対して支出は160億円、差し引き49億円程度の赤字になると試算している。

 今後の見通しについてJR北海道は、「安全の基準を維持するための費用を適切に確保する前提に立てば、今後の収支の見通しは、大幅な赤字となる状況が常態化しかねない」としている。さまざまな自助努力を行っても毎年400億円の営業損失を計上し、170億円以上の経常赤字を出し続けることになるという。

 そして、「このような状況が続いた場合、早晩企業として事業の継続ができなくなり、鉄道サービスを提供するという当社の使命を果たすことができなくなってしまう」と結論付けた。

 北海道新幹線の開業に合わせて発表した中期経営計画で、JR北海道は深刻な経営実態を白日のもとに晒した。今でも安全上のトラブルが続き経営が厳しいのに、大赤字必至の新幹線を抱えることになった。「新幹線は来ないほうがよかった」という本音が透けて見えるような事業計画といえないこともない。

開業3日間の平均乗車率は43%と低調

 3月26日、新青森-新函館北斗間148.8キロの北海道新幹線が開業した。北海道から鹿児島まで2150キロが新幹線で結ばれる。地元では経済波及効果に大いに期待したが、盛り上がりに欠けたようだ。

 JR北海道は北海道新幹線の開業から3日間の平均乗車率は43%だったと発表した。日付別では、開業初日の26日(土)は1万4200人が利用し乗車率は61%と最高だった。27日(日)は8700人で37%、28日(月)は6800人で31%とガタ減りした。

 停車駅が少ない「はやぶさ」と停車駅が多い「はやて」を合わせた3日間の利用者数は2万9700人。1日の平均利用実績は9900人となった。開業9日間の平均予約率は24%と低調を極めた。気候が暖かくなるゴールデンウィークでの巻き返しを図りたいところだろう。