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三菱自の不正、指摘した日産への疑惑広がる…早い段階で把握か、強烈なプレッシャーも

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三菱自動車・相川哲郎社長(中央)
 三菱自動車工業は、軽自動車の燃費試験の不正に関して1991年から法規に定められた以外の方法で取得したデータを提出していたことや、実際の試験を行わずに机上でデータを算出していたことを国土交通省に報告した。相川哲郎社長は一連の不正について「全容は解明できていない」としており、今後、外部の専門家で構成する特別調査委員会が中心となって原因究明などに乗り出す。


 原因としては、燃費競争の激化や日産からの要求に応えるためだったという見方が強まっているが、共同開発している日産は本当に不正を知らなかったのかという疑問も広まっている。

 三菱自が国交省に対して4月26日に報告した内容で明らかになった不正は、主に2つ。ひとつは、三菱自の軽自動車「eKワゴン」と日産にOEM(相手先ブランドによる生産)供給している「デイズ」の型式指定を取得するため、国交省に提出した走行抵抗データを偽造していたこと。

 型式指定の取得には、国交省所管の交通安全環境研究所に燃費を計測してもらう必要がある。「シャシーダイナモ」と呼ばれる台上で燃費を測定するが、実際の走行では空気抵抗やタイヤの摩擦抵抗があるため、「惰行法」と呼ばれる決められた方法で自動車メーカー自らデータをとって提出、同研究所は提出されたデータを活用して燃費を測定する。

 三菱自は燃費をよく見せるため、道路運送車両法で決められたものと異なる方法でデータを取得し、さらに平均値のデータを提出すべきところ、計測データのなかで小さい値を国交省に提出していた。三菱自によると、これによって正規な方法で測定した場合の燃費と比べて「5~10%燃費がよくなっている」という。

 また、マイナーチェンジモデルの型式指定を取得する際には、車を実走行させてデータ取得すること自体行わず、目標とする燃費となるように机上で計算し、走行抵抗のデータを提出していた。

 もうひとつの不正が、1991年から25年間にわたって、問題となっている軽自動車以外の車両でも、法規で定められた「惰行法」の手法以外でデータを取得し国交省に提出していたことだ。惰行法による走行抵抗データ取得は、91年に道路運送車両法で指定された。しかし、三菱自は主に米国市場で使用していた「高速惰行法」という手法でデータ取得を計測し続けてきた。同法では、惰行法よりも燃費が悪い数値が出ることもあったが、継続して使い続けてきた。