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アマゾン、なぜ急速にコストコ化?会員を「無料&特典漬け」で客囲い込みに本腰

文=寺尾淳/ジャーナリスト
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アマゾン、なぜ急速にコストコ化?会員を「無料&特典漬け」で客囲い込みに本腰の画像1アマゾンの倉庫(「Wikipedia」より/Asacyan)

 4月からアマゾンジャパンは、それまで無料だった送料を「1回2000円未満は350円」(消費税込み、以下同)に改定した。これには、ユーザを年3900円で送料がすべて無料になる「アマゾンプライム会員」に誘導する狙いもある。小売業でユーザの会員制度をとっている代表的な企業がコストコだが、アマゾンはネット通販界でコストコのようなビジネスモデルを志向している。はたして、それは「正解」なのか。

送料無料の「本家」アマゾンがついに陥落?

 4月からアマゾンは送料について、それまでの全品送料無料(マーケットプレイスや大型商品の一部を除く)を、「2000円未満は350円、2000円以上は無料」に改めた。なお、アマゾンのビジネスの原点ともいえる書籍のネット通販では、「楽天ブックス」などが送料無料を続けており、アマゾンも対抗上、送料無料を継続している。アマゾンプライム会員は、引き続き全品送料無料となっている。

 これまで、ネット通販の世界でアマゾンのサービスの代名詞のようにもなっていた「送料無料」は、競合企業にとっては大きなプレッシャーだった。
 
 たとえば、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイは、かつて送料は「1万円以下は一律399円、1万円以上は無料」だったが、2012年10月、それを「高い」と指摘した消費者に前澤友作社長がツイッター上で反論したことで大騒ぎになり、翌月から「全品送料無料(即日配達は500円)」に改定するという出来事があった。その時、「ZOZOTOWNは送料が高い」と指摘した消費者の頭の中に、送料無料のアマゾンがあったことは想像に難くない。

 しかし14年10月、ZOZOTOWNは送料の規定を再改定して「3000円未満は350円、3000円以上は無料」に変更した。それを「アマゾンとの送料無料競争に我慢できなくなって降りた」と見る向きは多かった。

 一方、「国内ではアマゾンへの最有力対抗馬」と目されている「ヨドバシ・ドット・コム」は、4月以降も送料無料を続けている(大型商品の特定地域への配達、配達会社指定を除く)。即日配達も同様。しかし、これは「キャンペーン中の特別扱い」のかたちで、本来の送料の規定は「1万円未満は500円、1万円以上は無料」となっている。「ビックカメラ.com」も送料無料だが、これも本来の規定は「3000円未満は500円、3000円以上は無料」で、やはり特別なキャンペーンがずっとそのまま続いているかたち。ヨドバシもビックカメラも「キャンペーン終了」を宣言すれば、いつでも元に戻れる。アマゾンが送料を有料化した今、ヨドバシ、ビックカメラがどう出るのかが注目される。

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