NEW

マックを蝕む借金膨張と資金流出…生き残りかけた新商品に捨て身の巨費投入

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
マクドナルドの店舗(撮影=編集部)

 日本マクドナルドホールディングスは5月11日、2016年12月期第1四半期決算を発表した。それによると、売上高は前年同期比27.7%増の521億9900万円、本業のもうけを示す営業損益は1億5100万円の黒字だという。ちなみに、前年同期の営業損益は99億6200万円の赤字だった。営業損益が黒字となったのは、14年4~6月期以来7四半期ぶりだ。純損益は、店舗改装費用などの計上により1億7600万円の赤字となった。

 消費者から商品名を公募し決定した「北のいいとこ牛(ぎゅ)っとバーガー」などの販売が好調だったことが業績改善に結びついた。消費期限切れ肉使用や異物混入など、安全性が疑問視される事件が連発したことで大きく揺れていた同社だが、最終損益はいまだ赤字とはいえ、四半期の営業損益が黒字となったことに胸をなでおろしていることだろう。16年1月、2月、3月、4月は既存店の売上高、客数、客単価すべてにおいて前年同月比でプラスとなっており、復調の兆しが見えてきている。

「北のいいとこ牛(ぎゅ)っとバーガー」の後にも、続々と話題性のある新商品を投入している。「ビッグマック」の約2.8倍のビーフパティを使用し、大きさは1.3倍超となる「ギガ ビッグマック」を4月6日から期間限定、数量限定で発売した。これは横綱・白鵬関の「もっとビーフがあったらうれしい」という一言から開発された商品だ。

「ギガ ビッグマック」をマーケティングの視点から検討してみると、同商品は「ラテラル・マーケティング」という商品の差別化を図るためのマーケティング手法が用いられている。ラテラル・マーケティングは、現代マーケティングの第一人者として知られる経営学者のフィリップ・コトラーが提唱した考え方だ。

 ラテラル・マーケティングには差別化を図るための6つの技法があり、そのうちのひとつに「強調する」というものがある。商品を構成する要素の一部または全部を「強調する」ことで、ほかにはない特長をつくり出す技法だ。例えば、行列ができる人気店として名高い「ラーメン二郎」が提供する、野菜が山盛りに盛られたラーメンは「強調する」という技法のわかりやすい例といえる。

「ギガ ビッグマック」は、まさにサイズを「強調する」ことで特長を出すことに成功したといえる。白鵬関が宣伝することで、サイズ感はさらに強調されている。消費者にインパクトを与えるには十分すぎる。

 4月27日には「クラブハウスバーガー」を投入した。「ギガ ビッグマック」ほどではないがボリューム感があり、8種類の具材を使用した食べ応えのあるハンバーガーだ。ボリュームを「強調する」ことに加え、具材にバラエティーを持たせることで、普段とは一味違ったハンバーガーを提供している。新たな顧客層を獲得しようとしている意図がうかがえる。