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江間正和「飲食業界を“数字と現場”で科学する」

3千円で多彩な日本酒を時間無制限飲み放題の店、なぜ儲かる?店の客もトクするカラクリ

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「Thinkstock」より

 最近いろいろな街で見かけるようになった、セルフ式時間無制限の日本酒飲み放題のお店。分析するにあたって、まずは同形態店舗の初期の特徴やシステムを整理してみると次のようになる。

・時間無制限
・入場料3000円を支払って入店
・店内に業務用冷蔵庫(酒用ショーケース)が配置され、中に100~200種類くらいの日本酒が並ぶ
・お客さんは冷蔵庫内の日本酒の中から、自分の好きなものを好きなだけセルフで飲み放題
・フードはなし、持込みOK・歓迎
・店内は会議室のような雰囲気、自由に動き回り、自由に居場所を確保もしくは立ち飲み
・スタッフは入口受付に1名、もしくはさらに1名

 お客さんのメリットは、とにかく「気になる日本酒、好きな日本酒を、好きなだけいろいろ飲めること」となります。3000円の入場料を払えば時間無制限で飲むことができますので、お得感を感じる方も多いことでしょう。

 では、分析していきましょう。このお店は、儲かるのでしょうか?

費用配分からアプローチ


 本連載でお馴染みの飲食店費用配分からアプローチしてみます。

・材料費率30%
・人件費率30%
・家賃管理費率10%
・光熱消耗雑費率10%
・償却・借入返済比率10%
・利益10%

 以上がざっくりとした配分ですが、要因を個別に見てみます。

・材料費率

 フードがないので日本酒の仕入が材料費となりますが、入場料が3000円ですから、目安の30%(3000円×30%=900円)に落ち着くか否かがポイントです。

 店舗に置いてある日本酒は1升瓶が多いです。インターネットで1升瓶の日本酒がいくらくらいで売っているかをみてみましょう。これらのお店は日本酒がウリですから、品ぞろえに力を入れなくてはなりません。あまり安いものでまとめるとお客さんがお得感を感じないので、品ぞろえは大事です。そうなると、1升瓶で2500円~3000円強が仕入の中心ラインとなります。計算しやすく(高めに見積もって)1升瓶の平均仕入コストを3000円としてみましょう。

・お客さんはどれくらい飲むのか?

 私が主催する1人1本持込日本酒会や14年間経営していたダイニングバーの飲み放題のデータから、平均としては飲んだとしても4合/人だと思われます。日本酒好きの人たちが集まる1人1本持込日本酒会は3時間飲み放題ですが、この会でも4合/人弱が飲む量です。