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PCデポの認知症高齢者への高額契約、準詐欺罪&違法表示に該当か

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PCデポの店舗(「Wikipedia」より/Konaine)
 家電量販店「PC DEPOT」(以下、PCデポ)が認知症の男性高齢者に対して詐欺まがいの契約を結び、さらにその解約料が高額だったことが、大きな問題となっている。


 PCデポは、当該男性には不必要と思われる高額サポート契約を結び、それに気付いた息子(Aさん)が解約を申し出たところ、当初は解約料として20万円を請求されたという。あまりの高額にAさんが抗議した結果、解約料は10万円に減額されたが、その悪質なやり取りに、Aさんは事の顛末をツイッター上で公開している。

 それによると、PCデポは今回の件で、通常はかからない解約料に対する消費税を課していたという。また、インターネット上では「被害者」からPCデポの「悪行」に関する訴えが多々あり、それによると、危険や不安を煽るような広告を掲載していたり、裏に高額な契約や付加条件があるにもかかわらず、それを隠すような表示で商品販売を行ったりしているようだ。

 それらの企業活動に対して、違法性が問われる可能性はないのだろうか。弁護士法人ALG&Associates弁護士の山室裕幸氏は、以下のように語る。

「まず、認知症の高齢者に対して法外な値段や実態にそぐわない契約を結ぶことについて、ご説明します。

 契約の効果についてですが、契約というものは、当事者間における『申込み』と『承諾』という2つの意思表示が合致することにより成立するのが原則です。しかし、契約によっていかなる効果が発生するのかを正確に理解できない人々もいるため、あらゆる意思表示を有効としてしまうわけにはいきません。

 そこで、民法に明文の規定があるわけではありませんが、物事の事理を弁識する能力を欠く状態の人々(意思無能力者)の意思表示は当然に無効であると考えられています。

 本件の当事者である認知症の高齢者の方がPCデポとの契約時にいかなる精神状態であったのかはわかりかねますが、仮に意思無能力といえる状態であったのであれば、PCデポとの間で締結した契約は当初から無効だったということになります。そのため、解約料の支払義務もなかったということになります。

 次に、認知症の高齢者の方と契約を締結するような行為の刑事責任についてご説明します。

 刑法248条には準詐欺罪という犯罪が規定されています。聞きなれない犯罪かもしれませんが、簡単にいうと、準詐欺罪とは『未成年者の知識の乏しい状態や、他人の心神耗弱の状態に乗じて、財物を交付させ又は財産上の利益を得ること』によって成立する犯罪です。

 そのため、仮に、当事者である認知症の高齢者が、精神の健全さを欠き、事物の判断を行うために十分な普通人の知能を備えていない状態(心神耗弱)であるにもかかわらず、PCデポ側がその状態であることを知った上で、それを利用して契約を締結したような場合であれば、準詐欺罪(代金の受領がなければ準詐欺未遂罪)が成立する可能性があります(法定刑は『10年以下の懲役』と定められています)。

 なお、準詐欺罪に問われるのは、当事者である認知症の高齢者を接客したPCデポの従業員ということになりますが、会社ぐるみで行われていた場合には、会社についても共犯として処罰される可能性があります」(山室氏)

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