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PCデポの認知症高齢者への高額契約、準詐欺罪&違法表示に該当か

文=編集部、協力=山室裕幸/弁護士法人ALG&Associates弁護士
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PCデポ、金銭だまし取りで詐欺罪に該当か

 当該男性とAさん、PCデポの間では、過去にもトラブルが発生しており、その際にAさんはPCデポ側に父親が認知症を患っていることを伝え、「今後は父親がお店に来ても私に無断で契約を結ばせるようなことはやめてほしい」と訴えている。それにもかかわらず、実際にはAさんの知らないところで契約が結ばれてしまったようだ。

 また、前述した解約料に対する消費税課税や広告表示の問題については、どうなのだろうか。

「まず、解約料に消費税が課税されるか否かについては、解約料の性質によって異なります。すなわち、その性質が解約に伴う事務手数料のみであれば課税対象になり、その性質が解約に対する損害賠償金を含む性質であれば課税対象にはなりません。

 本件では、解約料が当初20万円という高額に設定されていることから、その性質が後者であることは明らかであり、課税対象にはならないはずです。そして、仮にPCデポ側が『消費税』という名目で消費者から金銭を故意にだまし取っていたのであれば、その行為は詐欺罪(刑法246条)に該当する可能性があるでしょう。

 次に、不利な条件を隠した表示については、景品表示法5条2号により禁止されている『有利誤認表示』に該当する違法な表示である可能性があります。

 有利誤認表示とは、『実際の取引条件よりも取引の相手方に著しく有利であると誤認される表示により、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの』を指します。

 そして、違反者には、消費者又は都道府県から措置命令(当該行為の差止め命令等)が行われる可能性があり、措置命令に従わない者に対しては、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科され、措置命令に従わない事業者やその代表者等にも3億円以下の罰金が科されるなど、重い罰則が定められています。さらに、有利誤認表示が行われた時は、内閣総理大臣から事業者に対して課徴金納付命令が下される可能性もあります」(同)

 最後に、山室氏は以下のように語っている。

「以上のとおり、報道されている事実を前提とするならば、PCデポには複数の違法行為があったようです。本件によりPCデポにおけるコンプライアンス体制の構築が不十分であることが浮き彫りになったことから、現在、同社の株価は年初来安値を更新しているようです。今後は、役員の責任追及などの事態に発展していく可能性もありますので、事態の収束には多くの時間と労力を要することになるのではないでしょうか」
(文=編集部、協力=山室裕幸/弁護士法人ALG&Associates弁護士)

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