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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

ポケモンGO、人々の生活そのものを「変形」…なぜゲーム無関心の大人たちまでハマる?

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「ポケモンGO」のプレイ画面

 7月22日に日本で配信が開始されると、わずか3日間で推定1000万ダウンロードを突破し、社会現象とも呼べるブームをつくったスマートフォン(スマホ)向けゲームアプリ「ポケモンGO」。

 アメリカなどが配信を開始した7月6日からの1カ月で、世界のダウンロード数は1億件以上となっており、その熱は地球規模といっていい。

 ではなぜ、若者向けと思われがちなスマホゲームが、広い世代でブームとなっているのだろうか。立教大学経営学部教授の有馬賢治氏に、マーケティングの観点から解説してもらった。

先行した過熱報道が影響


「前提として、先行で配信されたアメリカなど他国の過熱ぶりがメディアによる報道で伝えられて、国内の機運を盛り上げていたことも大きく影響しています。これにより、市場浸透度に関するイノベーター理論でいうところの

・イノベーター(冒険的に新商品を採用する層)
・アーリーアダプター(流行には敏感な初期採用者層)
・アーリーマジョリティ(慎重派でありながら比較的新しく新商品を取り入れる層)

が、事前の盛り上がりに触発されて一気に飛びつき、この初動のダウンロード数になったのではないかと思います」


世界規模のスタンプラリー


 さらに、ゲーム性の面も一般ユーザーから受け入れられやすいものだったため、ブームを加速させたという。

「ポケモンGOにコピーを打つとしたら、『世界規模のスタンプラリー』と呼べるかもしれません。自らが動き回ってモンスターを捕まえるというわかりやすさと、スタンプポイントの役割をする“ポケストップ”を求めて街中をウォーキングするという健康的な遊び方は、これまでゲームに興味のなかった層にも響いたわけです」

初期キャラクターの親和性


 さらに、消費者は「みんながやっているなら自分もやってみよう」という心理が働きやすく、スマホでゲームをすることに抵抗を感じる層にとっても、それは例外ではなかったようだ。また、ポケモンの数は“第一世代”と呼ばれる150種類が登場しているが、このことも功を奏したようだ。

「第一世代のポケモンしか出てこないというのは、初期のポケモンに親しんだ30~40代にとっては懐かしさやモンスターへの親しみが持てて、プレイしていても“置いてきぼり感”を感じずにすみます。これがもし最新シリーズのモンスターまで登場していたら、大人世代との親和性はやや薄くなっていたかもしれません。また、モンスターに関する話題で親子の会話がはずむなど副次的な効果も出てきていますね」