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JR北海道、経営危機的状況突入…「維持困難路線」発表へ、修復費用捻出できず運休続出

文=編集部
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JR北海道、経営危機的状況突入…「維持困難路線」発表へ、修復費用捻出できず運休続出の画像1日高本線の車両

 今夏の北海道は、前代未聞の台風の直撃で深刻な被害を被った。台風の連続上陸によって農作物だけでなく、鉄道、道路が各地で寸断され、夏の観光シーズンが台無しになってしまった。道民にとっては、踏んだり蹴ったりだっただろう。

 そんな北海道に、この30年間で最大ともいうべき危機が迫っている。JRの鉄道路線の存亡問題である。事の発端は、7月下旬に北海道旅客鉄道(JR北海道)が発表した「持続可能な交通体系のあり方について」という文書だ。発表文の冒頭で、沿線地域の自治体に対して、こう通告した。

「当社の経営状況は極めて厳しく、また当社が経営基盤を置く北海道は、全国を上回るスピードで人口の減少が進んでいることから、それぞれの地域特性に応じた持続可能な交通体系のあり方について、地域の皆様に早急にご相談を開始させていただきたいと考えております」

 さらに、こんな一文もある。

「『当社単独で維持可能な線区』と『当社単独では維持することが困難な線区』について、当社の考えを秋口までにお示しします」

 単独で維持することが困難な線区は「鉄道を維持するにあたっての新たな方策の策定やバスへの転換などの選択」に関する相談を開始するというのだ。これを受け、道内では「困難な線区はどこか」「自分たちが利用している路線は廃線になるのか」と疑心暗鬼が広がった。

 その矢先に台風が相次いで直撃し、根室線で橋梁や路盤が流失・流出したほか、石北線、函館線などでも大きな被害が出た。9月14日現在も、札幌と釧路を結ぶ「スーパーおおぞら」、札幌と帯広を結ぶ「スーパーとかち」が全面運休となっている。JR北海道は、冬が来る前に復旧を急ぎたい考えで、自治体への「ご相談」は当初予定よりもずれ込むこととなった。

 路線見直しの具体的な論議に入ろうとしている時期に、まさかの台風直撃によって鉄道施設が大きな被害を受けてしまったのだから目も当てられない。

「単独維持が困難な路線」はどこか

 たしかに、JR北海道の経営状況は厳しい。発表資料によると、1988年の海峡線開業直後の営業キロは20線区、3192.8キロメートルで運輸収入は705億円だった。現在は、営業キロは14線区、2586.7キロメートルで運輸収入は685億円。

BusinessJournal編集部

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