誰もが、相手や状況によって本音と建前を使い分けているものだ。
でも、うわべの会話では、その場は取り繕えてもそこで終わってしまうかもしれない。
もし、本音で話し合えれば、もっと濃い人間関係が築けるはずと思う人も多いだろう。しかし、場合によっては相手を怒らせてしまったり、自分の考えを否定されてしまうこともある。また、苦手な人に本音はなかなか話せないだろう。
では、どのように本音を話せばいいのだろうか。
『本音に気づく会話術』(西任暁子著、ポプラ社刊)では、著者の西任暁子氏が20年かけてたどり着いた「本音を言い合える関係の作り方」を紹介している。
本書によれば、そうした良い関係を築くために必要な3つのステップがあるという。
1.自分の本音に気づく
口喧嘩のときに、怒りにまかせて口にしたことは、実は本音ではなく、とっさに浮かんだ言葉を口にしただけだと著者は述べる。
本音とは、その人が心の奥底で大切にしていること。心の表面ではなく、奥底まで潜ったときにはじめて気づけるものだ。
そうした本音にたどり着くために、まずは感情に振り回されて何か言う前に立ち止まり、自分が本当に思っていることは何なのか気付くことが必要なのである。
2.相手の本音を聞く
自分の本音にたどり着けた人には、相手の「本音に至る道」も見えるようになる。
相手も自分に対して本音を言っているわけではないだろう。では、なぜ相手が本音を言えないのか。それは、話す技術がないからではなく、話してもいいと思える安心感がないから。
大切なのは、こちらが信頼を得る聞き方を身につけることである。
3.自分の本音を伝える
そして、自分の本音を伝えるわけだが、ただ話しても相手に理解してもらえないかもしれない。
そこで、相手が受け取りやすいように「観察」「感情」「ニーズ」「リクエスト」の4つのステップに基づいて伝えることが大事だ。この4ステップで伝えることによって、つながりが生まれる。本書ではこの4つのステップについても説明されている。
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この3つのポイントを意識することで、感情的に話すことも少なくなり、言いたいことを我慢するストレスからも解放されるという。
うわべだけの会話ではなく、本音で言葉を交わすことによって、相手との信頼関係も築いていける。そうすれば、仕事もプライベートも充実したものになるはずだ。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。