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電気料金、東電のミスで誤請求多発…東電から他社へ顧客流出加速、自由化で業界混沌

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東京電力本社(「Wikipedia」より/Theanphibian)

 電力小売り全面自由化が実施されてから、半年が経過した。この間、検針データの誤りやスマートメーターの設置遅延など東京電力の不祥事ばかりが目立った。なぜ、こんなにスマートメーターの設置が遅れたのか。東電グループの送配電事業会社である東京電力パワーグリッドの広報担当者は、「スイッチング(電力自由化による、契約先電力会社の切り替え)が当初の想定を大幅に超え、工事力を確保できなかった」と話す。

 メーター設置の遅延よりも深刻だったのは、システムトラブルで検針データが新電力に正確に送信されなかったり、電気使用量の確定通知が遅延したことだ。同社は6月に政府から業務改善勧告を受けている。前出・広報担当者は「1000人規模態勢で託送システムの改善にあたり、2週間に1回検証している」と話す。

 東電のシステムトラブルには新電力も迷惑しており、ある新電力の担当者はこう話す。

「お客様から、『電気使用量は月300kWhぐらいのはずだが、10倍の3000kWhで請求が来た』とクレームを受けた。請求額は約7万円で、普通に生活していてそんなに電気を使うはずがない。調べてみると、東電のデータが間違っていた。誤ったデータによる誤請求で、本来は必要のないクレームが当社のコールセンターに来るので、対応せざるを得ない。こうした事例はたくさんあるわけではないが、東電関係者のなかには『参入した側にも責任がある』と開き直る人もいる」

スイッチング2%強、これをどう見るか


 電力広域的運営推進機関の発表によれば、全国のスイッチング件数は、7月末時点で147万を超えた。6260万世帯に占める割合は2%強である。そのうち、87万件と全体の半分以上が東電エリアで、その次が関電エリアの29万9000件だ。

 この2%という数字を、専門家はどうみているのか。みずほ総合研究所主席コンサルタントの宮澤元氏はこう話す。

「数字は想定どおり。大手電力が対抗策を取っているなかで、十分大きな数字だ。今年限りではなく、累積なので、例えば毎年1%ずつ動けば、10年で10%切り替わる。海外でもドイツやフランスのように穏やかに変わっていったケースもある」

 電力比較サイト「エネチェンジ」の巻口守男副社長は、スイッチングの内容を詳細にみる必要があると指摘する。