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スペースシャワー、著作権法違反で敗訴…音楽家に無断でネット配信、故意性も認定

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「Thinkstock」より

 急成長したインターネット音楽配信業界で音楽ソフト供給事業者大手となったスペースシャワーネットワーク(以下、スペース社)が、著作権法違反で訴えられた損害賠償請求訴訟で、控訴審でも同社は敗訴した。11月2日の東京高裁の判決(高部眞規子裁判長)は、賠償金額が一審判決より増額しただけでなく、一審で「注意義務違反」とされた著作権法違反に対しても「故意性」が一部認められるという、同社にとっては極めて厳しい内容となった。同社は最高裁への上告を諦め、確定判決となった。

 この裁判の経緯は、ジャズ音楽家のShima(シマ)が、自身の父親を代表とするノアコーポレーション(以下、ノア社)で、自主制作CD『The Good Life~Jazz Standards From New York』の原盤を製作。タッズ・インターナショナル(以下、タッズ社)のCDレーベル名義で製造し、スペース社の連結子会社で2011年10月に同社に経営統合したバウンディ社の流通販路で販売する契約を締結し、トラブルとなった裁判である。

 トラブルのきっかけは、11年2月のCD発売直後に契約書にないレンタル業者への貸与やインターネット配信をバウンディ社が行い、ノア社の配信中止要請と抗議を無視して配信を続けたため、著作権を侵害されたノア社が、タッズ社とスペース社(バウンディ社と経営統合したため)を、13年12月に提訴している。
 
 今年2月の東京地裁の判決では、タッズ社は50万100円、タッズ社及びスペース社は連帯で7077円の賠償支払いを原告のノア社に対して行うことが認定された。タッズ社は控訴せず、スペース社は控訴し、7077円の賠償支払いをめぐり裁判を続けてきた。たとえ控訴審で勝訴しても多額の弁護士費用が発生するが、なぜスペース社は経済合理性に合わない裁判を続けたのであろうか。

 スペース社にとって「著作権法違反の配信を行っていた」と裁判所に認定されたことが、今後の事業に影響する恐れがあり、またノア社がレンタル業者に対し直接レンタル中止を求めたことが信用にかかわる問題として、見過ごせなかったとみられている。

 ちなみにノア社とShimaは当初、弁護士を代理人にしたが、途中から弁護人を雇わず自分たちで訴訟を行う「本人訴訟」に変更し闘った。