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「殺人的企業」電通、東京五輪で独占的巨額利益は許されるのか?電通のための東京五輪

文=深笛義也/ライター
「殺人的企業」電通、東京五輪で独占的巨額利益は許されるのか?電通のための東京五輪の画像1厚生労働省が強制捜査に入った電通本社ビル前に集まる報道陣ら(読売新聞/アフロ/片岡航希撮影)

 2016年12月28日、電通の石井直社長は、1月の取締役会で社長を辞任することを表明した。12月23日には、「ブラック企業大賞2016」の授賞式が行われ、電通が大賞に選ばれた。選考は、労働問題に詳しい弁護士や大学教授によるもの。1991年と2013年にも社員が過労自殺・過労死したことが受賞理由に挙げられ、「何人もの労働者がこの企業によって殺された。電通は日本を代表する大企業である。それは輝かしい意味ではない。社会的に決して許されない人権侵害を続けた代表的企業である」と賞状が読み上げられた。

電通の新入社員・高橋まつりさんが長時間労働の末に自殺してから1年に当たる12月25日、母親の幸美さんは手記を発表した。そこには次のように悲痛な思いが綴られている。

「まつりの死によって、世の中が大きく動いています。まつりの死が、日本の働き方を変えることに影響を与えているとしたら、(中略)それは、まつり自身の力かもしれないと思います。でも、まつりは、生きて社会に貢献できることを目指していたのです。そう思うと悲しくて悔しくてなりません」

 20年に開催される東京五輪の広告代理店業務は、電通の一社独占である。「人権侵害を続けた代表的企業である」と指弾される電通が、東京五輪にかかわり続けるのは許されるのだろうか。

電通は「取り組んだら放すな、殺されても放すな」などの言葉が並ぶ「鬼十則」を社員手帳から削除することを決め、22時の消灯を実施しているが、長時間労働は改善されているのだろうか。

「電気を消しているだけでしょう。クライアントあっての仕事なので、自分たちだけで労働時間が短縮できるものではないです。協力会社など、ほかの場所で仕事しているのが実情ではないでしょうか」

 博報堂に18年間勤め広告業界に詳しく、『大手広告代理店のすごい舞台裏』(アスペクト)、『電通と原発報道』(亜紀書房)などの著書のある本間龍氏はそう言った。当サイト では、問題が発覚した直後の16年10月、電通の中堅社員へのインタビューを実施した。その後の変化についてさらなる取材を申し込んだが、「これ以上取材を受けることは、会社にとっても自分にとってもよくない結果にしかなりません」として拒否された。

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