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銀行のATM、なぜ終業後の夜間や休日だけ数百円も手数料取られる?3大銀行さんに直撃

文=深笛義也/ライター
銀行のATM、なぜ終業後の夜間や休日だけ数百円も手数料取られる?3大銀行さんに直撃の画像1「Thinkstock」より

 りそなホールディングスは1月11日、りそな銀行、埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行、サークルKサンクスなどのATM(現金自動預け払い機)で、手数料を利用者から誤って徴収していたと発表した。

 りそなグループ以外の銀行のキャッシュカードを使って現金を引き出したり預け入れたりした利用者から、本来より手数料を多く取ったり、少なく取ったりしていた。システムに、祝日である9日を平日に、平日である10日を祝日と、登録区分を誤設定していたという人的ミスが原因だ。

 過大徴収は約1万9000件で総額205万円、過小徴収は約3万9000件で総額420万円。本来より多く徴収した利用者には差額分を口座に返金し、徴収額が少なかった顧客には差額分を請求しないという。

 これを聞いて、あらためてATMの手数料について疑問を持った方も多いのではないだろうか。ATMの手数料が、平日と土日祝日、あるいは時間帯によって変わるのはなぜなのか。今回は他行のカードを使った場合の手数料が問題となったが、自分が預けた銀行から自分の預金を引き出すのに手数料を取られることに対して、理不尽な思いを抱く人々も多い。

そこで、りそな銀行と、日本の3大メガバンクであるみずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行にATMの手数料について聞いてみた。

 まず疑問に即答してくれたのは、三井住友銀行だった。

「保守やメンテナンスに費用がかかるからです」

 夜間や土日祝日は人件費が高くなるのはわかるが、他業種ではサービス料金が倍額になるようなことはほとんどないのではないか。

「SMBCポイントパックを利用していただければ、どなたでも時間外手数料が無料になります」

 三井住友銀行のホームページの検索ボックスに「SMBCポイントパック」と入力して調べてみた。

SMBCポイントパックとは、「口座(残高別金利型普通預金)」と「インターネットバンキング(SMBCダイレクト)」を契約すると、月4回まで時間外手数料が無料になるサービスだ。同行で住宅ローンを利用している場合や、給料の振込口座にしている場合も、時間外手数料は無料になる。

「三井住友では、無料でデビットカードをつくれます」

 確かにデビットカードで決済すれば、ATMから現金を引き出す必要はない。銀行窓口業務の時間外や休日に、無理に預金を引き出すよりも、デビットカード決済をするのも賢い方法だろう。

説明に窮する3行

 一方、りそな銀行、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行は、問い合わせに対し「検討して折り返し連絡する」とのことであったが、なかなか連絡が来ない。そこで、あらためて電話すると、まだ返答に時間を要するという。

 待ちわびていると、ようやくみずほ銀行から返答が来た。

「ATMは、お客さまが快適にご利用いただくため、行員はもとより24時間体制のコールセンターや警備員、保守員が常時待機しております。そのため、拠点の維持メンテナンスには費用がかかり、時間帯によってその費用も異なるため、ご利用手数料体系も時間帯によって異なります」

りそな銀行からの返答も、ほぼ同様のものであった。三菱東京UFJ銀行では、同様の回答に、次のような言葉が加えられた。

「2013年12月より、ATM利用手数料無料の時間を午後9時まで拡大しましたところ、9割以上の方が無料時間帯に引き出されるようになりました」

 これは一般的な感覚としてもよくわかる。午後9時まで無料の時間帯があるとなれば、時間外手数料が発生しても、それまでに引き出さなかった自分が悪い、とあきらめる気持ちにもなる。だが、りそな銀行、みずほ銀行、三井住友銀行では、ATM利用料が無料の時間帯は平日の午前8時45分から午後6時までだ。大多数の勤労者が通勤および勤務中の時間帯は無料だが、仕事の前後や休日には手数料が必要になるわけで、極めて不便といわざるを得ない。

 りそな銀行は、15年4月5日までは、すべての時間でATM手数料は無料であった。だが、それ以降は無料の時間帯は午前8時45分から午後6時までとなった。14年4月にポイントサービスの見直しをしたことによる改定だという。

 三菱東京UFJ銀行の回答からわかるように、ほとんどの利用者が無料の時間帯でATMから現金を引き出すようになっても、ATMの保持はできるのである。

 普通預金について、りそな銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行の金利は0.001%で、100万円を1年間預けて10円にしかならない。そんな時代に、自分のお金を引き出すのに108~216円という手数料を取られることには、やはり理不尽の念は拭えない。
(文=深笛義也/ライター)

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