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2045年、労働者は全人口の1割程度の可能性も 人工知能は経済をどう変える?

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※画像:『人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊』(文藝春秋刊)

 人工知能(AI)の議論が上がると、まずは「自分の仕事が奪われるんじゃないか」ということを思うのではないか。

 事実、自動運転車やAIを搭載したドローンによる配送はタクシーやトラック運転手などの失業を招く可能性があるだろう。また、スーパーのレジ係やホテルのフロント係といった仕事が消えるのではとも言われているし、最近では、ニュースメディアでも人工知能が導入されている。

 実際のところ、現代に至るまで様々な仕事が技術的進歩によってなくなってきた。20世紀初頭には経済学者のケインズが「技術的失業」という言葉を使って、警鐘を鳴らしている。

 しかし、なくなる仕事があれば新しい仕事が生まれるものだし、雇用は単純に技術的進歩のみに左右されるものではなく、経済状況による影響の方が短期的に見れば大きい。ケインズがこの言葉を提唱してからすぐに世界恐慌が起き、多くの失業者が生まれ「技術的失業」どころではなくなる事態となった。

 世界恐慌が終わったらどうなったのか? 次にやってくるのは第二次世界大戦による特需であり、1950年代、60年代の資本主義黄金時代へとつながっていく。

 20世紀の様子はつかんだ。でも、気になるのは今後である。私たちのこれからだ。一体どうなるのだろうか?

 『人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊』(文藝春秋刊)は、人工知能と経済学の関係を研究するパイオニアとして知られる井上智洋氏が、人工知能が経済に及ぼすであろう影響を分かりやすく説明している。2016年7月に出版された新書だ。

■中小企業からは従業員がいなくなる……

 雇用はどうなるのか? 「AIはそう簡単に仕事を奪えない」と思っている人は、残酷な未来が待っているかもしれない。

 本書によれば、2030年にAI技術の発展による「第四次産業革命」が起こると書かれている。そのきっかけになるのが、その年に開発の目処が立つと言われている「汎用人工知能」の登場だ。

 「汎用人工知能」は人間のように様々な知的作業ができるAIのことで、経済や雇用に対して大きな影響を及ぼすことが考えられる。

 例えば、音声を通して要望を伝えると応えてくれる「パーソナル・アシスタント」の機能は飛躍的に向上し、決算書作成やウェブサイトの構築、報告書のとりまとめといった、「今は人間しかできない作業」をしてくれるかもしれない。

 事務作業はAIが担うことになり、現在の20~30人ほどの規模の会社は社長一人で運用できるようになる未来がやってくるのだ。

 となると、残る人間の仕事は以下の3つの分野になるという。

・クリエイティヴィティ系(Creativity、創造性)
・マネージメント系(Management、経営・管理)
・ホスピタリティ系(Hospitality、もてなし)

※『人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊』P160-161より引用

 いずれも「他者の心を深く考える仕事」といえる。しかし、こうした領域以外の仕事に就いている人たちは仕事が奪われてしまうのか?