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鈴木領一(すずりょう)のビジネスの超ヒント!

採用面接でロボットが面接官を務める企業で劇的効果…

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エンジニア 安藤敬資氏

「私自身、面接を受けて入社した経験から、もっと効果的な面接の仕組みをつくれないかと考えていました。面接を受ける側は緊張していますし、なかなか本音を言えないものです。リラックスした雰囲気をつくり、会社の本質も垣間見られる仕組みをつくることができれば、どちらにとってもWin-Winとなります。

 ある日、ロボホンが注目されているというニュースを見たとき、“あ、これだ!”と閃いたんです。ロボホンが面接の現場にいれば面白いことになりそうだ、と直感的に思いついたんです。そこで、早速社長に企画を提案したところ、『面白そうだから、やってみよう』とすぐに決裁をしてもらいました」(安藤氏)

 その後、安藤氏は、すぐに企画をスタートさせた。プログラム開発は外部の開発パートナーと手を組んだ。ロボホンは「Android Studio + RoboHon SDK」という開発環境でつくることができる。平たくいえば、Androidの知識があれば誰でも新たな開発ができるのだ。

 安藤氏は通常業務を行いながら、空いた時間でロボホンの企画を進めていった。リツアンでは、自分で発案したアイデアは積極的に取り組んで良いという社風がある。そして2週間後、面接で使える基本プログラムが完成した。

「最初に現場に投入した時には、まるで自分の分身を送り込んだ気持ちで、とてもドキドキしました。『間違わずに、がんばれ!』と心の中で叫んでいました。ロボホンがうまく会話に対応して、プレゼン資料をプロジェクターで見せられたと聞いて、本当にほっとしました。しかも、通常の面談にいるはずもない可愛らしいロボホンが対応することで、今までわからなかった、その人の本音が聞けるようになり、本質も理解できるようになって、“これはいける”と確信しました」(同)

 次第に、面接官からロボホンに対する要望も出てくるようになった。会社説明時に話している派遣マージンについても、ロボホンに手伝ってほしいといった要望だ。リツアンは全国で最も低い派遣マージンを設定しており、そのために給料を高く設定できている。その強みをロボホンに強調してほしいというのだ。重要な役割だ。

 安藤氏は早速、そのためのプログラムも追加した。派遣マージンの比較データをロボホンがプロジェクターで投影するプログラムだ。

派遣マージンの比較データ(ロボホン投影)

ロボホンの副次作用


 少しずつアップデートを繰り返し、ロボホンを面接官のアシスタントとして育てている。このロボホンの登場で、思いがけない効果があったと安藤氏は言う。

「弊社がロボホンを使っていることで、面接に来たエンジニアは、『この会社はこんなことも自由にさせてくれる会社なんだ』と感じてくれるようになったのです。わざわざ『弊社は自由な社風ですよ』と言わなくても、ロボホンがそれを証明してくれたのです。これは思いがけない収穫でした。ロボホンは面接アシスタントだけでなく、今では広報担当にもなったようです」(同)

 このプロジェクトは、まだ始まったばかりだ。「一年を通して、アップデートを繰り返して、もっと優秀な“社員”として育てたいと思います」と安藤氏は言う。

 ここ数年、「今年はAI元年になる」といわれているが、このロボホンを使った新しい試みは、高度なAIを使わない極めてシンプルなコミュニケーションである。ロボットと人間の共生を垣間見るユニークな事例となりそうだ。
(文=鈴木領一/ビジネス・コーチ、ビジネス・プロデューサー)

●鈴木領一(すずき りょういち)
思考力研究所所長(http://suzuryou.com/) ビジネスプロデューサー&コーチ
行政機関や上場企業の事業アドバイスをはじめ目標達成のためのコーチングも行っている。
プレジデント誌などビジネスメディアへの記事寄稿多数。
また『100の結果を引き寄せる1%アクション』(サイゾー刊)は、氏のコーチングメソッドを初公開した書籍で、主婦から経営者まで幅広い層に支持されベストセラーとなっている。

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