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緩む日産、厳格な目標必達経営を放棄で「昔の日産」化…平気で目標未達、経営責任問わず

文=河村靖史/ジャーナリスト
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緩む日産、厳格な目標必達経営を放棄で「昔の日産」化…平気で目標未達、経営責任問わずの画像1日産の社長兼CEOを返上して代表権を持つ会長となったカルロス・ゴーン氏(写真:ロイター/アフロ)

「マーケットシェアでは次の中期経営計画の期間中に8%のレベルを到達したい」(日産自動車・西川廣人社長兼CEO<最高経営責任者>)

 日産は中期経営計画「パワー88」が目標未達で終わり、2017年度から始まる新しい中期経営計画に引き継ぐことを明らかにした。前CEOのカルロス・ゴーン氏が持ち込んだ、目標を確実に達成する「コミットメント経営」を掲げてきた日産だが、綻びは明らか。今年4月に日産のトップとなったばかりの西川氏は試練を迎えそうだ。

「日産パワー88」は、日産が11年6月に発表した、11年度から16年度までの6カ年中期経営計画だ。計画の柱となっているのが、当時4.6%だったグローバル市場シェアを16年度末までに8%に伸ばすと同時に、売上高営業利益率を8%に引き上げるというもので、2つの「8」を計画の名称にも示した。これ以外にも、ルノーと合わせて計画期間中に累計150万台の電気自動車(EV)の販売することなども目標として掲げていた。

 16年度が日産パワー88の最終年度となったが、17年3月期の連結業績によると、グローバルマーケットシェアは6.1%で、売上高営業利益率も6.3%と、いずれも目標に遠く及ばない結果に終わった。

 西川社長は「8%レベルの売上高営業利益率は必達目標、そして8%のマーケットシェアはターゲットとしていたが、マーケットシェアについては次の中期経営計画の期間中に8%のレベルに到達したいと考えている」と、あっさり目標の先送りを表明した。利益率についても「為替条件が一定であれば2年間でそれぞれ1.2ポイント、1.3ポイントの収益性が改善し、一定の経済、市場条件の下では8%の収益性を確保できる状態まで向上した」と述べ、景気動向や為替を理由にする始末だ。

コミットメント経営

 一時は倒産寸前といわれるほどの経営危機に陥り、ルノーと資本提携してカルロス・ゴーン氏が経営に参画して復活した日産は、中期経営計画に掲げる目標の達成を重視してきた。経営再建に向けた00年からの「日産リバイバルプラン」で、ゴーン氏は達成困難とみられていた目標は「コミットメントで、達成できなければ辞任する」と言い切るほどで、結果、計画を前倒して達成した。

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