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東芝、なくなる可能性…ガバナンス先進企業・東芝、まったくガバナンス効かず

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記者会見で決算発表再延期を陳謝する東芝の綱川智社長(ロイター/アフロ)

 東芝経営再建が迷走している。2017年3月期決算も「監査意見なし」という異例の状況で発表された。監査意見なしとは、監査人がその企業の決算内容が適切と考えるか否かに関する見解を示すことができない状況を示す。これは経営の失敗にほかならない。

 現在、金融市場の関係者が、東芝の経営再建の実現性を客観的に評価することは困難だ。状況が改善しないと、東芝の上場廃止は一段と現実味を帯びてくるだろう。そうした展開を避けるためには、速やかな事業の売却だけでなく、これまでにはなかった組織の整備など、一から企業を立ち上げるほどの取り組みが必要だ。それができないと、最悪の場合、東芝が経営を立て直し、“東芝ブランド”の下でビジネスを行うことは難しくなるかもしれない。

 数年ほど前まで、東芝は日本を代表する優良・名門企業とみなされていた。契約内容に関する認識の甘さを原因として、その企業の経営不安が日に日に高まっている。言い換えれば、経営判断を誤ってしまうと取り返しがつかなくなるほど、今日の経済環境は目まぐるしく変化している。現在、徐々に世界経済の先行き不透明感も高まるとみられるなか、各企業は東芝の教訓を生かして今後の成長戦略を策定していく必要がある。

契約への認識の甘さが招いた東芝の経営危機

 
 東芝が5400億円もの債務超過に陥り、経営危機に直面している主な原因は、2006年の米原子力大手ウエスチングハウス(WH)の買収にある。この買収に関しては6,210億円(1ドル=115円換算)の買収額が高すぎるなど、さまざまな指摘があった。

 もっとも重要なことは、東芝がWHの買収パートナーとして選んだ企業に、購入した株式を一定の価格で売る権利を付与したことだ。WHの買収時、東芝は米国エンジニアリング企業であるショーグループをパートナーに選び、ショーグループはWHの20%の株式を取得した。同時に、東芝は株式の買い取り請求権(オプション)をショーに与えたのである。

 当時、東芝の経営陣にはショーグループが権利(オプション)を行使することはないとの思い込みがあった。また、WHの77%の株式を確保したため、万が一、権利が行使されても大きな問題にはならないとの見方もあっただろう。

 しかし、東日本大震災を受けてショーグループは原子力発電事業からの撤退を決めた。契約に則り、同社はオプション(権利)を行使し、保有するWH株を1,250億円で東芝に買い取らせた。傘下のWHがストーンアンドウェブスター社(S&W)を買収した際も、東芝は潜在的なリスクを十分に確認しなかった。この結果、経営陣にとって“想定外”の損失が相次ぎ、債務超過が発生するほどに財務内容が悪化した。

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