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片山修のずだぶくろトップインタビュー 第8回 宮下直人氏(総合車両製作所 代表取締役社長)

山手線から豪華列車まで…鉄道車両生産の知られざる全貌 歴史的転換と戦う現場 

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宮下直人(みやした・なおと)1953年東京都生まれ。77年東京大学工学部卒業。79年同大学大学院修了後、国鉄入社。2006年JR東日本鉄道事業本部運輸車両部担当部長、08年同社執行役員鉄道事業本部安全対策部長(現:安全企画部)、10年同社常務取締役鉄道事業本部副本部長などを経て、12年4月より現職。

 昨年8月、タイ・バンコクで初の日本製車両が走り出した。「パープルライン(チャローン・ラチャタム線)」用車両がそれで、製作したのはJR東日本傘下の車両メーカー総合車両製作所(以下J‐TREC)だ。

 もともと東急グループの鉄道車両製造会社「東急車輛製造」だったのを、2012年にJR東日本が買収し、J‐TRECとして発足した。ステンレス製車両のパイオニアで、14、15年には、北陸新幹線用車両「E7系」6編成を製作。今年5月にJR東日本が運行を開始した豪華寝台列車「トランスイート四季島」の5、6、7号車の製作を手掛けた。

 ステンレス製通勤電車から優等車両、新交通や路面電車、分岐物や鉄道コンテナなども手掛け、高い技術力を誇る。国策として鉄道インフラの輸出が推進されるなかで、J‐TRECは通勤車両「サスティナ」を武器に海外市場への進出に積極的だ。

 J‐TRECは16年3月期の売上高が約430億円だ。設立10年にあたる23年に売上高1000億円を掲げる。達成に向けて、いかなる戦略を描いているのか。同社社長の宮下直人氏に聞いた。

片山修(以下、片山) 宮下さんは、総合車両製作所の発足当時からトップを務めていますね。

宮下直人氏(以下、宮下) はい。もう6年目になりますね。

片山 「パープルライン」に納めた63両は「サスティナ」と呼ばれる車両です。「サスティナ」について教えてください。

宮下 「サスティナ」は、海外向けと国内向けがあります。海外向けは、当社の最も得意である、ステンレス製の車両をすべて「サスティナ」と呼んでいます。一方、国内向けは、J‐TRECの新技術が搭載された最新車両のみを「サスティナ」と呼んでいます。

 国内向け「サスティナ」は、いわば“コンピュータ電車”です。ITの発達によって、さまざまな情報のシステム処理が可能になっています。

片山 山手線「E235系」は、それですね。国内初導入の量産型「サスティナ」ですよね。

宮下 はい。例えば車内広告は、液晶ディスプレイを増やして、フルデジタルサイネージとなっています。人の手で一枚一枚取り換えていた広告を、一瞬で切り替えることができます。

片山 車内広告は、貼り替え作業の人手不足が悩みの種と聞いていましたからね。

宮下 そうなんです。紙の中吊り広告は残していますが、お客さまへの訴求効果はフルデジタルサイネージのほうが圧倒的に高いと考えています。

片山 わかります。IT化の例は、ほかに何がありますか。

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