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日本郵政、野村不動産の買収検討を否定…「私どもの発表ではない」「事実無根」

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長門正貢社長(左)と横山邦男取締役兼日本郵便社長(Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 日本郵政は、オーストラリアの物流子会社トール・ホールディングスで4003億円の損失を計上、2017年3月期に289億円の最終赤字に転落した。また6月19日には、野村不動産ホールディングスの買収交渉が中止になったと報じられ、世間の関心が高まっているなか、日本郵政の株主総会が6月22日午前10時から、横浜アリーナで開かれた。

 株主総数は50万3636名だが、出席者は開会時点で377名だった。取締役兼代表執行役社長の長門正貢氏が挨拶し、自身が議長を務めることを告げて株主総会は始まり、あらかじめ録音された女性のアナウンスで、事業報告が行われた。

 郵便・物流事業については「コンビニ受け取りの拡大、郵便局窓口受け取りサービスの開始、宅配ロッカー(はこぽす)」などによって、利便性の高いサービスが構築されたとアピールした。金融窓口事業、銀行業、生命保険業についても、順次述べられた。国際物流事業に関して、トールについて次のように説明があった。

「資源価格の下落及び中国経済・豪州経済の減速などを受け、トール社の業績が悪化していることから、2017年1月に経営陣を刷新し、人員削減や部門の統廃合などによるコスト削減策を中心に、業績回復・将来の成長への基盤を整えるために経営改善策を講じているところです」

 長門社長は、トールにおける「のれん」の見直しなどによる4003億円の損失と、289億円の最終赤字について改めて説明。「経済環境の変化などによるものですが、株主の皆さまには申し訳なく思います」と謝罪した。

質疑応答の時間になり、13名の株主が質問した。

「株主優待として特別の年賀状や切手をつくってほしい」
「日本郵政の投資信託は元本割れすることはないのか」
「佐川急便は週休3日制にした。日本郵政も働き方改革をすべきではないか」

このように質問は多岐にわたったが、会社の回答は型どおりのものであった。

野村不動産の買収について質問されると、「買収を検討しているというのは私どもの発表ではなく、事実無根です」と否定した。

「手紙を書く人が減っている。観光客向けに土日も郵便局を開くべきではないか」という要望に会社側は、「幼稚園や保育園にお手紙ゴッコを導入する試み、小中高生に向けては手紙の書き方の授業を導入する試みを行っている」と答えた。

 トール買収に伴う損失について会社の責任を追及する声は上がらず、「謝罪の声が聞けてよかった」と会社側の姿勢を評価する株主もいた。圧倒的な純資産の大きさゆえか、損失や赤字についても、株主たちは冷静に受け止めているようだ。

 最後に、ただひとつの議案である取締役15名選任について採決が行われ、賛成多数で可決。大きなもめごともなく、予定されていた正午前に株主総会は閉会した。
(文=深笛義也/ライター)

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