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『おんな城主 直虎』、命の軽さと懸命な生き様をバランスよく描くも視聴率は横ばい

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『おんな城主 直虎』公式サイトより

 柴咲コウが主演するNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』の第35回が3日に放送され、平均視聴率が11.3%(関東地区平均、ビデオリサーチ調べ)だったことがわかった。前回から0.1ポイントの微増。 

 徳川の軍が約束をたがえて気賀の民を惨殺してしまったとの知らせを受けた直虎(柴咲)。急ぎ気賀に向かうも、助け出すことができたのは瀕死の状態で倒れていた龍雲丸(柳楽優弥)だけだった。直虎をはじめ僧侶たちによる懸命な看病のかいあって龍雲丸は一命をとりとめたが、なぜ自分だけが生き残ったのかとやり切れない思いを抱いていた。一方、徳川家康(阿部サダヲ)は今川氏真(尾上松也)と密かに和睦し、氏真は掛川城を明け渡す。これをもって家康は遠江全域を手中に入れたが、それを知った武田信玄(松平健)は怒りに燃えていた――という展開だった。

 今回のサブタイトルは「蘇りし者たち」。生死をさまよっていた龍雲丸が回復しただけでなく、それぞれ心に深い傷を負った人々が再び立ち上がり、前を向いて生きて行こうとする様子が描かれた。直虎は政次(高橋一生)を死に追いやった張本人である近藤(橋本じゅん)に復讐を果たす絶好の機会を得るが、復讐ではなく助ける道を選ぶ。井伊家の人々は政次の教えが次の時代を担う若者たちに受け継がれていることに気づき、ようやく政次の死を素直に受け入れることができるようになった。

 城を奪われ、民も富もすべてを失った方久(ムロツヨシ)は、儲かる上に人を救う商いとして薬の販売に目を付け、薬の知識を身に着けるために昊天(小松和重)に弟子入りする。

 井伊家の人々だけではなく、今川家の当主という重荷に苦しみ続けた氏真も「蘇りし者」として描かれた。掛川城を明け渡して戦国大名としては滅亡したが、悲しみに打ちひしがれるどころか「肩が軽うなった」と晴れやかな顔を見せたのだ。氏真はこれまで、祖母・寿桂尼(浅丘ルリ子)や父・義元(春風亭昇太)が偉大すぎたゆえに自身の能力のなさを常に痛感し、当主としての振る舞いも迷走し続けた。だが、単なる一個人となったことでもはや駿河の国主として虚勢を張ってみせる必要もなくなった。史実では、氏真は最終的に文化人として生きる道を選び、高い教養や京とのパイプを持だけに、徳川幕府において重用されることとなった。戦国大名としての今川氏と今川氏真は滅んだが、別の生き方を模索することでよみがえったと言える。

 2週続いてつらい話が続いただけに、逆境にあってもしぶとく生き抜く人々を描いた今回のテーマは心に染み入るものがあった。戦国時代における人の命の軽さを真正面から描きつつも、そんな時代だからこそ人々はたくましく生き抜いたのだと表現する一連の展開は非常にバランスが取れていて良いし、リアルだと感じる。

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