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ヤマト、委託業者が怒りの告発…一方的に「明日から来なくていい」、かえって労働長時間化

文=深笛義也/ライター
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ヤマト、委託業者が怒りの告発…一方的に「明日から来なくていい」、かえって労働長時間化の画像1ヤマト運輸の配送車両(「Wikipedia」より/Tennen-Gas)

 10月1日より、宅急便の値上げをするヤマト運輸。荷物量を抑制し、労働現場への負担を軽減し「働き方改革」につなげることが目的だ。だが今年度、約8000万個減らす計画だった荷物量を、3600万個の削減へと半分以下に下方修正した。値上げによって離れていく法人客が、想定していたよりも少なかったためだ。

 労働環境の改善はうまく進むのか、危ぶまれるところだが、あまり目を向けられることがないのが、ヤマトから請け負って配達する委託業者の状況だ。ヤマトの持ち株会社ヤマトホールディングスの2017年4~6月期は、連結営業損益が70億円前後の赤字になったと報じられた。過去に未払いだった残業代の支払いが増加したほか、自社で捌ききれない荷物の宅配を外部に委託する費用がかさんだためといわれているが、ある委託業者はこう証言する。

「ヤマトの社員さんが配りきれない分の穴埋めをやっているので、十分な個数が回されないことがあります。こちら側が1日100個以上は配れるところを、なるべくヤマト社員に配らせるために、その時の状況によって、こちらには50個までとか70個までとか、個数制限がされてしまうのです。早い人は朝6時半に荷物を積み込みに行って、配達の指定時間がありますから、夜の9時まで配達しなくちゃならない。そうすると、半端じゃない待機時間が生じるのです」

 ヤマトと委託業者は、配達数量に応じて料金を支払う内容で契約を交わしている。支店によってその金額は異なるが、100個配ればガソリン代などの経費を引いても、ドライバーには満足のいく収益が生じる。だがこれが50個となれば、最低賃金を大きく下回る額にしかならない。

「国土交通省(陸運局)から貨物運送業の許可を受けた車両で仕事をしています。ここ数年、ヤマトさんの荷量が増えて、自社のドライバーさんが足りていない状況で、委託業者を抱えて、なんとか捌いているという状態だと思います。その委託業者への支払いが膨大な金額になって、ヤマトさんが苦しんでいると報じられていますが、根本的に違いますね。

 ヤマトさんが自社のドライバーの状況を考えずに、アマゾンさんの仕事を引き受けて荷物が増え、社員さんの労働時間が長くなってしまったので、負担を軽くするために委託業者を抱えたのだと思います。社員さんの能力は個々違うわけで、1時間当たり10件配れる人もいれば、5件しか配れない人もいる。その穴埋めをこっちがやっているわけです」(同)

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