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もはやサラ金のほうがマシ…貧困層を食い物にする銀行カードローンが破産者を量産している

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東京市民法律事務所代表弁護士の宇都宮健児氏
 銀行が無担保で個人に融資する「カードローン」が社会問題化している。利便性の高さを背景に過剰な融資が行われ、「銀行がサラ金化している」との声も上がっているのだ。


 日本銀行によると、銀行カードローンの6月末の融資残高は前年同月比8.6%増の5兆6793億円で5年前の1.7倍となっている。銀行のカードローンは改正貸金業法に基づく総量規制の対象外だ。銀行のホームページを見ると、カードローンの紹介について、消費者金融業者の広告かと見紛うような宣伝文句が目立つ。

 一方、2016年の自己破産者の申し立ては前年比1.2%増の約6万4600件。銀行のカードローンの返済で生活が苦しくなり、弁護士に相談するケースも増えているという。銀行のモラルはどうなっているのか。長年サラ金や多重債務の問題に取り組んでいる、東京市民法律事務所代表弁護士の宇都宮健児氏に話を聞いた。

「来店不要」…サラ金ばりの銀行カードローン


――銀行にはモラルが求められると思うのですが、銀行がサラ金化した背景には何があるのでしょうか。

宇都宮健児氏(以下、宇都宮) まず、日本のサラ金は1960年代から増加し始めました。当時、銀行は一般の会社員には担保がないとお金を貸さない時代であり、企業の設備投資中心で個人への融資はほとんど行われていなかったのです。また、当時は質屋があったため、ちょっとしたお金に困った人は質屋かサラ金を利用していました。

 60~70年代にかけて、自動車、テレビ、家電、住宅の購入など大量消費の意欲が強く、また給料も上がっていたため、返済が社会問題化することはありませんでした。

 ところが、オイルショックの時代に給料が上がらなくなり、サラ金の返済に窮する人が増えてきます。さらに、夜討ち朝駆けなどをはじめとする強引な取り立てが社会問題化しました。一時期、個人の自己破産申立件数が約24万件、自殺者が3万人を超えました。

 これを受けて、2006年に貸金業法が改正され、「グレーゾーン金利の廃止」「ヤミ金融対策の強化」「貸金業の適正化」とともに総量規制が行われました。これによって、個人の借り入れ総額が制限され、年収の3分の1を超える額を新規で借り入れすることはできなくなりました。

 その結果、過剰な融資を行ってきたサラ金のビジネスモデルが崩壊しました。サラ金業者は最盛期には約4万7000ありましたが、現在は約2000に減少しています。

 サラ金問題が一服したと思ったら、今度はメガバンクや地方銀行などが無担保カードローン事業を開始し、残高5兆円以上という異常な融資を行っているわけです。

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