我が子には高学歴、高収入の道を歩んでほしい。それが結局は子どものため。
親は子にこの種の期待を抱きがちだ。特に自分が勉強で苦労した経験があったり、収入面で不自由していたりすると、この傾向は強く出る。
そんな人が、子どもに自分と同じ道を歩ませたくないと思っているなら、残された時間は多くないかもしれない。
■子どもの一生は12歳までに決まる
生き方は人それぞれ。だが、人間には身につけておかないと一生を棒に振ってしまうような、本当に大事なこともある。
「勉強する習慣」や「物事を自分で考える習慣」、「何かに取り組む習慣」などがそれで、どんな生き方をするのであれ、なくてはならないもの。想像力や創造力、生き抜く力といったものは、これらの習慣によって育まれる。
脳科学と心理学をベースにした子育て理論で知られる福島美智子さんは、これらの習慣は「12歳までに作られる」としている。これは、12歳になった時には、子どものその後の一生はある程度決まってしまっているということでもある。
■子どもが自発的に勉強するために、親は何をするべきか
では、わが子に「勉強する習慣」や「物事を自分で考える習慣」、「何かに取り組む習慣」をつけるには、どのような取り組みが必要なのだろうか。
たとえば「勉強する習慣」の場合。福島さんは著書『勉強が好きになり、IQも学力も生き抜く力もグングン伸びる 最強の子育て』(すばる舎刊)で、0歳から6歳の幼児期の遊びで「興味を持つ→夢中になる→自分からすすんでやる」というプロセスを多く経験させることが大切だとしている。
親にさせられる勉強が効力を発揮するのは一定の年齢まで。このやり方では、小学校中高学年になって親の言うことを聞かなくなった時、勉強に見向きもしなくなる。幼児期の子どもが興味を持った遊びをとことんやらせ、自分でその遊びを発展させるということを覚えさせておく方が、勉強するクセづけもスムーズにいきやすいのだ。
■ちょっとした取り組みで言語能力は飛躍的に伸びる
「考える習慣」をつけるのにも、親のちょっとした取り組みが重要になる。
人間は言葉を使って考える以上、言語能力は思考力に直結する。となると「自分の言葉で言いたいことを言える力」は、幼児期から鍛えておく方がいい。
一緒に暮らしていれば、まだ言葉があまり話せない幼い子どもに「ちょうだい」と言われた時、何が欲しいのか見当がつく。しかし、そこで親が「はい、これね」と渡してしまっては、言葉にする力は身につかない。
子どもがみかんを欲していることがわかったら、「みかん、ちょうだいね」と親が見本を見せてから、子どもにも言わせてみて、うまく言えたらほめてあげる。地道なやり取りだが、幼少期からこの取り組みを続けることで、「思ったことを伝える力」が育っていくという。
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『勉強が好きになり、IQも学力も生き抜く力もグングン伸びる 最強の子育て』では
0歳~6歳では五感を豊かに育む
6歳~8歳(ホップ期)では、体を使って体感する
9歳~10歳(ステップ期)では、あれこれと試行錯誤する
11歳~12歳(ジャンプ期)では、培ってきたものを分類・整理する
というように、子どもの年齢ごとにテーマを持って子どもの力を育む取り組みや、やってはいけないことを紹介している。
子どもが自ら能力を伸ばし、それを開花させていくためには親のサポートは必須。
将来、子どもに恨まれないためにも、子育ての参考にしてみてはいかがだろう。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。