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日産の検査不正、ゴーン流コミットメント経営が原因…経営トップは責任を曖昧に

文=河村靖史/ジャーナリスト
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日産の検査不正、ゴーン流コミットメント経営が原因…経営トップは責任を曖昧にの画像1日産自動車の西川廣人CEO

「とにかくこの状態を挽回することに尽きる。私の使命は早く過去を断ち切って正常にすること」(日産自動車西川廣人社長兼CEO

 日産自動車は無資格者が完成検査を行っていた問題について、調査報告書と再発防止策を国土交通省に提出した。無資格者の不正な完成検査は1979年から栃木工場で実施されており、38年間にわたって不正を繰り返してきた。国交省の監査当日だけ完成検査工程から無資格者を外していたほか、資料を改ざんして発覚を逃れていたことや、完成検査員になるための試験でのカンニングを認めていたことも明らかになった。一方で、日産首脳陣は経営責任を明確にしないまま、問題の幕引きを図ろうとしている。

 日産の西川社長は11月17日、国交省に完成検査の不正に関する調査報告書を提出し、その後、横浜市のグローバル本社での記者会見で「長年にわたる不適切な完成検査で信頼を裏切った」と述べて改めて謝罪した。

 調査報告書によると、無資格者による完成検査は1979年に栃木工場で行われており、不正が長年にわたって常態化していた実態が明らかになった。また、西川社長は当初「(無資格者であっても)検査は行われており、安全は保証する」と述べていたが、報告書によると、完成検査を本来とは異なる場所で行っていたことから、検査項目の一部の検査を実施していなかった可能性も明らかになった。

 長年にわたって不正が水面下で行われていたのは、発覚を逃れるため、現場で巧妙に工作が行われていたためだ。国交省や日産本社による監査の時だけ、現場責任者が無資格の補助検査員を完成検査工程から外れるよう命令。補助検査員に資格者が持つバッジを貸与して完成検査に従事するケースもあった。不正発覚後の国交省の立ち入り検査では、不正確な説明を行っており、関係資料の一部を改ざんしていたこともわかっている。

 さらに有資格者についても、その能力を疑問視せざるを得ない実態も明らかになった。完成検査員となるための講習時間を短縮していたほか、複数の工場で、試験問題と答案を同時に配布していたことや、教材を見ながらの受験、答案提出後に間違いを訂正した上での再提出を認めるなど、不正がまかり通っていた。

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