「広告に載っていたクルマが販売店に存在しない」「総額が広告の表示よりも大幅に高くなった」――中古車購入には、こんな問題がつきまとう。そんな状況を是正すべく、10年にわたって改革を実施してきたのが、中古車情報メディア「カーセンサー」(リクルートホールディングス)だ。
1月5日付記事『中古車業者「おとり広告」の実態…なぜ、かつての「闇」を劇的に改善?』では、「カーセンサー」のブランドマネジャーである中村与希氏(リクルートマーケティングパートナーズ)に、改革の内容と業界の現状などについて聞いた。
今回は、「若者のクルマ離れ」や「カーシェアリング」などについて、さらに中村氏の話をお伝えする。
中古車、なぜ同じ車種なのに価格が違う?
――中古車にはよくわからないことが多く、プリウスという同じ車種であっても100万円で売られているかと思えば、別の販売店では200万円で売られているケースも見受けられます。こういった価格の違いについては、やはり不透明性を感じます。
中村与希氏(以下、中村) カスタマーからすれば、そのあたりがわかりづらいことは確かです。しかしながら、中古車は1台1台で状態が違います。そのため、「安心・安全」の車選びができるように「カーセンサー認定」を設けました。
検査専門機関である株式会社AISが1台あたり300以上の項目をチェックし、その検査を経た中古車に「認定証」を付与して掲載する仕組みです。AISは公平で客観的かつ正確な検査に定評があり、トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車、マツダ、SUBARUの各メーカー系中古車事業会社からも高い支持を得ています。「カーセンサー」もAISに審査を委託しています。
AISは、検査した中古車を「S」から「R」までの10段階でランク付けします。それまで「優」「良」「可」のような曖昧だった評価が明確化されたことで、インターネット上で見ただけでも、カスタマーはある程度の判断ができるようになりました。
――「カーセンサー認定」によって、中古車の状態が可視化されたということですね。ネットでも優良中古車を購入できる、良い時代といえます。
中村 申し上げたように、中古車はクルマごとに状態が違うので可視化することが大事です。そして、カスタマーに安心して選んでもらうことが大切だと考えています。
――さらに、アフター保証も提供していますね。
中村 カスタマーが中古車を購入するときに不安なのが「いつ不具合を起こすか」「すぐに壊れるのではないか」という点です。
クルマは消耗品なので、絶対に壊れないという保証はありません。しかし、40万円で購入してすぐに故障、修理にまた40万円かかったというケースもあります。そのため、中古車購入に二の足を踏む方がいるのも事実です。そこで、購入後の不安を解消するために中古車専用の保証制度である「カーセンサーアフター保証」を2012年から始めました。
当時としては保証対象部位は業界最多水準で、価格も大手の水準と比較して2割ほど抑えた金額となっていました。保証範囲内であれば、修理費は無料です。ただし、事前に「カーセンサー認定」を受けているクルマであることが条件です。