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Aさんは調査の対象になった年分中に、5000万円分のビットコインを売却。さらに、500万円分の物品の購入をビットコイン決済で行っていました。この5500万円からビットコインを取得した金額を引いた残りが、Aさんの所得として課税の対象となります。その額が4000万円を超えていれば、所得税率は45%、さらに住民税が10%、さらに延滞税と無申告加算税も賦課されます。最終的にAさんは、売却益の6割近くを納めることになりました。
ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係について、国税庁は次のように示しています。
「ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。このビットコインを使用することにより生じる損益は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます」(国税庁タックスアンサーより)
つまり、「基本的には『雑所得』、条件が揃えば例外的に『事業所得』になる」といっています。同じ所得税が賦課されるのに、なぜ所得区分に対して言及しているかというと、仮想通貨の売却により損失が出ても、雑所得以外の他の所得と損益通算することはできないからです。所得税法上、他の所得と損益通算できる所得は、不動産所得・事業所得・譲渡所得・ 山林所得で、雑所得が赤字になっても、その赤字で他の所得と相殺することができないのです。
昨年まで、飛ぶ鳥を落とす勢いだったビットコインは、ほぼどのタイミングで始めても、利益を出した方がほとんどだと考えられます。しかし、今後、値が下がれば、大きく損失を出す方も出てくるでしょう。その場合、確定申告をしても、給与所得と損益通算をして、源泉徴収された所得税を還付することはできないのです。
今後も活況を呈すると予想される仮想通貨の取引。利益が出た場合は、必ず申告しましょう。
(文=さんきゅう倉田/元国税職員、お笑い芸人)
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