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『anone』、坂元裕二なのにつまらない…呆れたご都合主義、会話劇も意味不明で辟易

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『anone』公式サイトより

 広瀬すず主演の連続テレビドラマ『anone』(日本テレビ系)の第2話が17日に放送され、平均視聴率は初回から2ポイント減の7.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことがわかった。初回は、ドラマフリークの間では評価が高かったが、一般的には「わかりにくい作品」と感じる視聴者が多かったのだろう。

 亜乃音(田中裕子)が持っていた一万円札が偽札だと気付いたハリカ(広瀬)は、亜乃音の自宅である印刷所を訪ね、「お金が必要なので印刷してほしい」と頼む。亜乃音はハリカを追い返そうとするが、ハリカが床下から見付けたデジカメに残っていた写真を見て動揺する。15年前に失踪して行方がわからないはずの娘・玲(江口のりこ)が、1年前に死んだ夫と一緒に写っていたのだ。亜乃音はハリカの協力を得て玲の居場所を突き止めるが、玲に声を掛けることはできず、働く姿を離れた場所から見ただけで立ち去った。

 一方、掃除を頼まれて亜乃音の自宅に泊まっていたハリカは、表に出せないカネが印刷所にあるのではないかと勘違いして忍び込んだ舵(阿部サダヲ)とるい子(小林聡美)にバッタリ遭遇してしまい、車に押し込まれて舵のカレー店に連れ去られる。するとそこに、舵のカレー店を乗っ取ろうとしている男・西海(川瀬陽太)が現れ、わざとらしく拳銃を床に落とした……という展開だった。

 はっきり言って、あれほど出来が良く良作の雰囲気をプンプン漂わせていた第1話とは比べものにならないほどつまらない。

 親のないハリカと、娘に捨てられた亜乃音が偽札のおかげで出会い、互いに足りないものを埋めるかのように惹かれ合うというストーリーは悪くはないが、ずいぶんありきたりだ。だらだら話を延ばしてほしいわけではないが、写真に写っていたラーメン店を訪ねたら店主と常連客が玲のことをよく知っており、職場まですぐに教えてくれるという“ご都合展開”もひどい。

 その一方で、亜乃音を訪ねたハリカが電気を点けようとして何度もスイッチを間違えるなど、特になんの意味もないシーンには尺を割く。事前告知であおっていた「衝撃のラスト」の正体が、唐突な拳銃の登場というのも展開としてどうなのか。

 脚本の坂元裕二氏が得意とする、印象的な台詞の応酬による会話劇も、今回は全体的に不発。舵、るい子、西海の3人による「サケはクマを襲うか襲わないか」論争は、まったくおもしろくないどころか意味不明。「切り身? 切り身?」と台詞で追い打ちをかけるも、スベリに輪を掛けただけの結果になった。るい子がしたり顔で語った、「世の中なんて、どっかのバカがついうっかり倒しちゃったドミノ倒しでできてるんですよ。並んじゃったら負けなんです」との台詞も、うまいことを言っているようで、よく意味がわからない。「風が吹けば桶屋が儲かる」的なことを言いたいのか、「社会の歯車になってはいけない」と言いたいのか、あるいはまったく違う何かを言いたいのか……。

 登場人物に何か変わった台詞を言わせなければならないと追い込まれるあまり、苦しまぎれに内容の伴わない言葉だけを並べ立てたように見えてしまう。今はまだ、坂元氏が脚本を担当し話題になったドラマ『カルテット』(TBS系)の印象が新しいだけに、視聴者も本作の成り行きを見守っている段階だと思うが、会話劇としてのおもしろさが今後も見えてこないようだと、坂元脚本のファンにすら見離されてしまうのではないだろうか。

 ただ、広瀬と田中の淡々とした掛け合いは見応えがあり、そのなかで2人が互いに心を開く描写もほほえましい。初回に続いて抑えめの演出が徹底されているのも良い。なかでも、死んだ夫と失踪した娘が自分に黙って会っていたことを知った亜乃音が叫びも泣きもせず、娘が元気に生きていたことを穏やかに受け止める――という場面は秀逸だった。いい役者といい設定がそろっているのだから、まだまだいくらでも巻き返しはできるはずだ。第3話に期待したい。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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