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音楽教室、「JASRAC管理曲外し」が加速か

文・取材=A4studio
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音楽教室、「JASRAC管理曲外し」が加速かの画像1「Gettyimages」より

 3月8日、日本音楽著作権協会(JASRAC)は記者会見を開き、音楽教室からの音楽著作権料徴収を4月1日より始めると発表した。対象となるのは楽器メーカーや楽器販売店が運営する全国の約7300教室で、個人が運営する音楽教室は当面対象外にするとのこと。

 我が子を音楽教室に通わせている方もいれば、近年“大人の音楽教室”がブームになりつつあるため、自分自身に関係があるという方もいるのではないだろうか。

徴収は行っているが契約手続の督促はしないようにとの行政指導がなされている

 ことの発端は2017年2月、JASRACがそれまで対象外だった音楽教室から著作権料を徴収すると発表したことにある。これに対し、一般財団法人ヤマハ音楽振興会などの音楽教室事業者は「音楽教育を守る会」を発足。同団体は同年6月にJASRACに徴収権がないことを確認するため東京地裁へ提訴、同年12月には司法判断が確定するまで徴収を保留するよう文化庁長官に求めていた。しかし本年3月7日、宮田亮平文化庁長官がJASRACによる音楽教室からの著作権使用料の徴収を認める裁定を下しており、それを受けてのJASRACの発表というわけだ。 

 余談だが、問題が露見した昨年2月、歌手の宇多田ヒカル氏は自身のツイッターで、「もし学校の授業で私の曲を使いたいっていう先生や生徒がいたら、著作権料なんか気にしないで無料で使って欲しいな」とツイート。

 今回の問題は営利目的で運営されている音楽教室などが焦点となっており、小中学校など非営利の教育機関は著作権法が及ばないので宇多田氏が勘違いをした可能性もある。ただ、宇多田氏のツイート内の「学校の授業」が営利目的の音楽教室などを指しているとしたら、ビッグアーティストが明確にJASRACの方針に異を唱えたとも見て取れるのだ。

 話を戻すが、争点となっているのは、音楽教室のレッスン内での実演が「著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として上演し、又は演奏する権利を専有する」という内容の「上演権および演奏権」にあたるかどうか。レッスンは公衆に対する演奏であると主張するJASRACに対し、レッスンは閉鎖的空間で行われる教授目的のものであり、公衆に対する聞かせるための演奏行為ではないと音楽教育を守る会は主張している。

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