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新聞社、「押し紙」隠蔽の実態…販売店の申告を公取委は無視、是正なら新聞業界再編も

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佐賀新聞本社社屋(「Wikipedia」より/Fullcap)
 5月8日付記事『新聞社の「押し紙」、公取委が放置で販売店を見殺しに…部数水増しなら詐欺行為』では、新聞社による新聞販売店(以下、販売店)への「押し紙」の実態についてお伝えした。押し紙は独占禁止法で禁止されている違法行為であるにもかかわらず、取り締まるはずの公正取引委員会(以下、公取委)はまったく動かないのが現状だ。


 販売店から申告があった際、公取委が適切に新聞社への調査を行っていれば、押し紙は是正されるはずである。公取委は、営業所などへの立入検査、関係書類の提出命令、出頭命令、事情聴取、そのほかに独禁法47条所定の調査権限が与えられており、新聞社の販売局やそのほかの販売店にも調査を行うことができる。いつどのように立ち入り調査を行うかなどは、公取委の判断次第なのだ。

 仮に突然、公取委が販売店や販売局に対して調査を行えば、一定の効果があるはずだ。販売局から極秘資料が見つかるかもしれないし、調査対象以外の販売店から供述が得られる可能性もある。

 ただ、新聞社側は普段から偽装工作をしているようだ。最たるものは、二重帳簿の作成である。実は、新聞業界内部でも第三者機関による販売店への立ち入り調査が行われているが、調査の時期と対象の販売店は事前に新聞社側の知るところになっているという。そして、調査の時期になると、新聞社の指導によって対象の販売店は事前に偽の顧客名簿や領収書などを作成して調査を待つというのだ。つまり、二重帳簿をつくって調査をやり過ごしているのである。筆者は、こうした事情を販売店関係者から聞いたことがある。

 少なくとも、公取委は新聞社に対して、申告があった販売店への押し紙を認定するべきだ。そうした動きを続ければ、押し紙を強いられている販売店も倒産の憂き目に遭う前に公取委に申告して被害を抑えると共に、新聞社にダメージを与えることができるようになる。そして、「公取委への申告によって押し紙が是正される」という実例が積み重なれば、販売店にとっては大きな勇気になる。そもそも、それが本来あるべき公取委の姿勢といえるのだが……。

「販売店からの自発的な注文」を偽装する新聞社


 一方、押し紙の摘発は証拠上も難しい側面があるため、公取委が調査に慎重であること自体は必ずしも不適切というわけではない。たとえば、注文部数はあくまでも販売店側の意思に基づいたものとするために、販売店主が注文票に注文部数を書いて「販売店が自発的に注文している」という体裁を取っている。

 しかし、実際には新聞社の販売局の社員が各販売店に所定の部数を書くように指導していたり、新聞社が年度ごとに(押し紙が含まれた)目標部数を販売店に提出させて、その数字通りに注文させたりしている。

 押し紙に関する訴訟では、こういった点を論拠に「販売店が自発的に注文したものであり、新聞社による押し紙とはいえない」などの反論に遭うため、販売店側は非常に苦労している。これに対して、販売店側の武器となる証拠は、新聞社から注文部数を指導されたときなどの音声データである場合が多い。

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