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著者・平野氏は、岡本太郎の妻・敏子さんの葬儀を行うことになった際に、「敏子さんは岡本太郎のことを“言葉”で支えてきた人だから、彼女の最期は“言葉”で送ろう」と決め、参列者には焼香の代わりにカードを書いてもらい、参道からは敏子さんの声が聞こえてくる、という演出をしました。
周りからは「夫の作品で飾ろう」「映像で盛り上げよう」「敏子さんを見送るパフォーマンスをさせてほしい」といった声があがりましたが、平野氏は徹底して“言葉”だけで構成し、忘れられない体験を創り出しました。
つまりこれは、平野氏の「言葉で送り出したい」という強い欲望があったからこそ出来上がった一つの作品と言えるでしょう。
プロジェクトでは、成果の品質も、性格も、すべてプロデューサーの個性と情熱に依存します。決断するときは一人ですから、孤独と責任に耐えねばなりません。けれど、それと引き換えに新しい物事の誕生に立ち会うという特権が与えられます。その作法を身につけてみると、人生にも新たな展開が出てくるかもしれませんよ。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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