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クラシックカー、世界で人気急騰 相場高騰で金融商品化、クルマとファンにとって幸せか?

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●本当のクラシックカー・ファンが乗れなくなった?


 クラシックカーの相場が高騰し始めたのは、2001年に起きた「9.11 米国同時多発テロ」以降だといわれている。投資家グループが、幅広く投資先を開拓する過程において、比較的人気の高いフェラーリやポルシェといったブランドのクラシックモデルに目をつけた。クラシックカーというものは、減ることはあっても増えることはない。逆に、買いたい、乗ってみたいという人は年々増えていく。これまでは、欧米市場に日本を加えた先進国需要がほとんどであったけれども、当然ながら新興マーケットの富裕層も興味を持ち始める。

 結果、需要は逼迫し、価格が自然と上がっていくという構造だ。こればかりは、増やしたくても増やせない。例えば、前述のフェラーリ250GTOは、わずかに40台弱が生産されたに過ぎない。売り物が市場に出るだけで、奇跡ともいえるわけだ。

 クラシックカー相場の高騰に伴い、本当にクラシックカーが好きな人が乗れなくなった、という嘆きもよく耳にする。しかし、高騰すること自体は、クルマにとっては基本的にいいことだ。これまで修理や修復に値しないと思われていたモデルでも、相場が上昇することによって、メンテナンスしようというマインドが形成される。

 クルマの修理修復にかかる費用は、ブランドやモデルが違ってもさほど大きく変わらない。例えば300万円くらいが相場のクルマを500万円かけて修復することは合理的ではないが、もし同じクルマが1000万円で売れるようになれば、お金をかけてメンテナンスしておこうという心理が働く。だから、クラシックカーは近年、どんどんキレイになっていく。クルマにとっては、シアワセな時代になったといえそうだ。

●所有して楽しめる、利回りのいい投資先


 盛況なのはオークションビジネスだけではない。クラシックカーを主役としたタイムラリー形式のツーリングやギャザリング(展示)イベントも近年、大変な盛り上がりをみせている。

 筆者は5月にイタリアで開催された世界最高峰のクラシックカーラリーイベント「ミッレミリア」に参加したが、スタート地点にはなんと450台ものクラシックカーが集まり、その多くが1台1億円を下らないモデルばかり。日本でも姉妹イベント「ラフェスタ・ミッレミリア」が人気を博し、日本をもっと知る「ラリーニッポン」といった新たなイベントも定着しつつある。

近年、日本でもクラシックカーイベントが盛んになってきた。春秋には日本中で300前後のイベントが開催されている。

 趣味に数百万円、数千万円、はては数億円という話は、もうそれだけで常軌を逸していると思われる方も多いだろう。けれども、ちょっとした高級ミニバンが500万円もする時代である。

 例えばイギリス産の小粋なクラシック・ロードスターなら、数百万円で手に入る。買って、メンテナンスしながら(想像するほどは高くはない)、ラリーやイベント参加を楽しむ。クルマを大事に慈しんでさえいれば、数年後に売却することになっても、おそらく買った値段と同じか、それ以上で売れることは間違いない。そこが、確実に価値の目減りが起こる実用車との大きな違いだろう。

 所有して楽しめる、利回りのいい投資先。人気が高まっている今こそ、積極的にクラシックカーを楽しむチャンスだといえそうだ。
(文=西川淳/ジュネコ代表取締役、自動車評論家)

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