名古屋市(「Thinkstock」より)
・中京銀行(名古屋市)「再編は理にかなっている」
・十六銀行(岐阜県岐阜市)「常に頭に入れている」
・三重銀行(三重県四日市市)「選択肢となる可能性はある」
・百五銀行(三重県津市)「将来的に可能性はある」
・第三銀行(三重県松阪市)「当然一つの選択肢だ」
・大垣共立銀行(岐阜県大垣市)「単独で残れるように最善尽くす」
・愛知銀行(名古屋市)「人口減は差し迫っていない」
・名古屋銀行(名古屋市)「地域が成長しており(経営統合は)必要ない」
東海地区の地銀頭取にとって、再編は差し迫った案件とはなっていないのか。少なくとも自身の在任期間中に経営統合は起こらない、いや起こってほしくないと考えているのかもしれない。
昨年9月、金融庁の細溝清史長官は各行の頭取を名古屋市内に集め、「今のビジネスモデルではやっていけなくなる。できる手を打ってほしい」とゲキを飛ばした。しかし、反応はイマイチだったようだ。大垣共立銀行の土屋嶢(たかし)頭取の「金融庁としては再編が好ましいのだろうが、すぐに『統合しましょう』とはならない」という発言が、頭取たちの本音だろう。12年に旧岐阜銀行が十六銀行に吸収合併されて以降、東海地区での地銀再編をめぐる動きは止まった。十六銀は「東海銀行のように存在感のある地銀になりたい」として岐阜銀を買収したが、その後の動きは鈍い。適当なパートナーが見つからないからだ。金融アナリストは「愛知県では人口も経済規模も成長を続けており、九州の肥後銀行、鹿児島銀行とは置かれている経営環境がまったく違う」と分析する。
●東海地方で広がる、住友と三菱への不信
東海地方は元来、旧東海銀行(現三菱東京UFJ銀行)の牙城だった。東海銀は強力な営業力を誇り、大きな存在感を示していた。トヨタが東海銀を支えてきたといっていい。トヨタの協力企業は東海銀から融資を受け、トヨタは東海銀と旧三井銀行(現三井住友銀行)の2行を優遇し、住友銀行とは絶対に取引をしなかった。