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「だから直接聞いてみた forビジネス」

買いたい本が発売日に書店にない理由が衝撃的…「いい加減すぎる」出版業界特有の驚愕事情が!

文=酒平民 林 賢一/ライター
買いたい本が発売日に書店にない理由が衝撃的…「いい加減すぎる」出版業界特有の驚愕事情が!の画像1「Thinkstock」より

 この連載企画『だから直接聞いてみた for ビジネス』では、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問(?)を、当事者である企業さんに直撃取材して解決します。今回は林賢一氏が、書籍の発売日に関する謎に迫ります。

【ご回答いただいた企業】
紀伊國屋書店・店売推進部

 私は、書籍や雑誌は店頭で手に取って確かめてから購入したい派だ。

 アマゾンも利用しているが、やはり手触り感を大切にしたい気持ちがあり、なるべく書店に足を運ぶようにしている。

 だが、買う書籍が決まっている場合、アマゾンで予約するほうが間違いないのも事実だ。書店の場合だと、いつ入荷するか正確な日時がわからないし、入荷するまでに本を買うつもりだったことさえ忘れてしまう場合もある。

 そもそも、書籍は必ず発売日に書店に入荷するのだろうか。それとも、前日には入荷しているのだろうか。そのあたりの仕組みを実はよく知らない。

 うーん、気になる。そこで、紀伊國屋書店・店売推進部に直接聞いてみた。

発売日には店頭に並ばない?

「書籍が店頭に並ぶのは、発売日当日ですか?」

担当者 正直、コミックや雑誌など、一部、発売日をしっかり決めているもの以外は、基本的に発売日という概念はあってないようなものなんです。

–そうなんですか。

担当者 どういうことかと言いますと、出版社が本をつくりますよね。それを問屋、出版界では「取次」と言っているのですが、そこに卸すわけです。この卸す日を「発売日」という出版社が多いのです。その問屋から私どもの書店に本が流通してくるわけですが、そうしますと東京都内であれば、その卸された日の午後に届いたりすることもあります。ところが、配送の関係で翌日になる店舗もありますし、遠いところはもう少し遅れることもあります。

–発売日という概念がないのには驚きました。

担当者 発売日というと、どうしても書店のほうで売り出す日というイメージじゃないですか。実はそうではなく、出版社が言う発売日は取次に卸す日なのです。

–書店に並ぶのは、「発売日当日付近」というイメージでしょうか?

担当者 当日とか翌日とかですね。ご不便をおかけして申し訳ないのですが、私どもとしては発売日といってもモノが入ってきてから店頭に出すので、正確にいつ発売しますと言えないことがあるんです。どうしても発売当日に欲しいということであれば、取次が入る日の情報を基に入荷日を推測して、お客様のほうへ「店に入るのはこのぐらいの時期になるかと思います」といったご案内をするように対応しています。

林 賢一

林 賢一

1979年、五反田生まれ。脚本、構成。学生時代から古舘プロジェクトで修業。参加作品は、『トーキングフルーツ』(フジテレビ・火曜深夜24時25分~)、ドラマ『恋とか愛とか(仮)』(広島ホームテレビ・木曜深夜24時15分~)、舞台『古舘伊知郎トーキングブルース2014』、アニメ『脇役目線』(WOWOW)など。映画監督・入江悠と仲間たちによる映画メルマガ【僕らのモテるための映画聖典】で「映画のカット数を数える」という無謀な企画を連載中。

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