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LINEはもう「LINE」じゃない…ある事業が利益爆増、本当に銀行を超えるかもしれない

文=真壁昭夫/法政大学大学院教授
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LINEはもう「LINE」じゃない…ある事業が利益爆増、本当に銀行を超えるかもしれないの画像1LINEの画面(ロイター/アフロ)

 6月以降、わが国のメッセンジャーアプリ大手、LINE(ライン)の株価が、上昇基調で推移している。7月下旬まで、東証株価指数(TOPIX)はほぼ横ばい推移となっている。それに対して、ラインの株価は25%超の上昇を遂げている(7月30日時点)。

 株価の上昇を支えているのが、ラインのモバイル決済への期待だ。国内でラインの利用者数は7000万人を突破した。このユーザー基盤(ラインの強み)を活かして、送金や買い物代金の支払いなどのサービスが普及すれば、同社はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に次ぐ、収益の源を手に入れることができるだろう。

 すでに、キャンペーンの導入によってラインのスマホ決済を使い送金を行う個人は増加している。今後も利用者の増加が期待されている。この期待が同社の収益増加への期待を支え、株価が上昇しているわけだ。

 また、ラインは国内だけでなく、台湾、タイ、インドネシアでもメッセンジャーアプリを提供している。4カ国のユーザー数は1億6000万人以上だ。国内だけでなく、海外でもメッセンジャーアプリのユーザーにスマホ決済のサービスが使われるようになれば、同社の成長期待は一段と高まるだろう。先行きの不透明感があるなか、同社がどのようにしてスマホ決済事業などを成長させていくか、注目したい。

戦略事業の成長期待を反映して上昇してきたラインの株価

 ラインの収益源は、広告事業、コミュニケーション・コンテンツなどの事業、戦略事業の3つに分けられる。ラインは、広告事業とコミュニケーション・コンテンツなどの事業を“コア事業”と位置付けている。現状、広告事業が売上高の50%超を占めている。それに次いでコミュニケーション・コンテンツなどの事業が30%超のウェイトを占めている。売上収益に占める戦略事業のウェイトは10%程度だ。

 ラインの4~6月期の決算資料を見ると、同社の売上収益は、前年同期比で21.8%増加し、506億円程度だった。一方、営業利益は同37.8%減少し、約90億円だった。この要因は、人件費の増加、マーケティング関連のコストの増加などだ。コスト増加の影響により、同社の営業利益率も前年同期比で低下している。この点だけを見ると、株価が下落してもおかしくはない。

 事業ごとに営業利益の伸び率をみると、成長への期待の強さがわかるはずだ。コア事業の営業利益は前年同期比で7.7%減少した。一方、戦略分野の営業利益は80%超も増加したのである。

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