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小林敦志「自動車大激変!」

トヨタ“プリウス人気”終焉の可能性も…「新型カローラ」が3代目ユーザーの受け皿に?

文=小林敦志/フリー編集記者
トヨタ“プリウス人気”終焉の可能性も…「新型カローラ」が3代目ユーザーの受け皿に?の画像1広州モーターショーで発表されたトヨタ自動車の「新型カローラセダン(スポーティモデル)」(「トヨタ 新型カローラ セダン・ワゴン | REBORN, THE NEW COROLLA.」より)

 本連載前回記事で、2018年12月17日にトヨタ自動車がマイナーチェンジを発表した「プリウス」をめぐる事情についてお伝えした。プリウスは日米で販売が伸び悩んでおり、今回の国内月販目標台数は6600台とマイナーチェンジ前からほぼ半減させている。そこで気になるのが、次期「カローラ」の存在だ。

 18年11月に中国の広州モーターショー会場で、次期「カローラセダン」がワールドプレミアされた。ほぼ同時期に北米仕様も登場しており、日本国内でも19年秋ごろを目安にデビュー予定となっている。ほぼ日本国内専売となる現行「カローラ・アクシオ」および「フィールダー」は5ナンバーサイズであったが、次期型は日本国内でもいよいよ3ナンバーワイドボディとなる。当然ながら、ハイブリッド仕様も引き続き設定されることになる。

 となると、もろにプリウスとキャラクターがかぶってしまうのだ。カローラは現行モデルでハイブリッドをシリーズで初めて設定しているが、5ナンバーサイズであり、搭載ユニットもプリウスが1800ccベースなのに対し、1500ccベースとなっている。また、カローラはカローラ店専売ということで、プリウスとの棲み分けができていた。しかし、次期カローラがデビューすると、ハイブリッドで3ナンバーサイズでは、プリウスがハッチバックである点以外はキャラがほぼかぶってしまうので、棲み分けはできなくなる。

 さらに、カローラは次期型からカローラ店専売ではなく、トヨタ店、トヨペット店、ネッツトヨタ店を合わせたトヨタ系販売チャンネル全系列で取り扱われるのではないかとの情報も一部ではある。今までは、車名を冠した販売チャンネル(カローラ店)があるので「それはないだろう」という空気が流れていたが、トヨタが全店全車種扱いを進めているなかで、今回プリウスが月販目標販売台数を半減してきたことを考えると、その(全店全車種扱い)本気度を示す上でも、カローラの全店全車種扱いが俄然現実味を帯びてきている。

 現状でセダンボディのカローラ・アクシオだけを見ると、月販平均で2000台近辺となっている。仮に、この数字をベースに4系列すべてで次期カローラセダンだけを取り扱うとして、単純に4倍にすれば8000台となる。現状カローラ店のみで2000台なので不足分は6000台、つまりプリウスはマイナーチェンジで月販目標台数を約6000台減らしているので、減らした分を次期カローラセダンに回せばちょうど8000台となる。

 現行カローラシリーズは18暦年での上半期(1~6月)の月販平均台数が約6600台で、これはほぼアクシオとフィールダーのみの合算と考えていい(6月分だけ「カローラ・スポーツ」が含まれている)。6月末にカローラ・スポーツがデビューした後、つまり18年7~11月の月販平均台数は約8781台に増えている。

 あくまで机上の空論ではあるものの、数字を中心に分析し、プリウスが減らした分をカローラに回し、次期カローラはセダンのみトヨタ系ディーラー全チャンネル扱いになると想定すると、プリウスの減った6000台はカローラに回るともいえる。

 カローラの全店扱いを“トヨタの全店全車種扱いの本気度を示せる”と前述したが、シリーズすべてを全店扱いにするとショックが大きすぎるため、現行でフィールダーと呼ばれるステーションワゴンとハッチバックのスポーツ、特にステーションワゴンはセダンより明らかによく売れるので、看板に車名を掲げるカローラ店専売のままになるのではないかと、ここではあえて考えてみた。

小林敦志/フリー編集記者

小林敦志/フリー編集記者

1967年北海道生まれ。新車ディーラーのセールスマンを社会人スタートとし、その後新車購入情報誌編集長などを経て2011年よりフリーとなる。

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