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「高くなった」日高屋、客離れで急成長ストップ…深刻な壁に直面、従業員待遇改善の罠

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
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「高くなった」日高屋、客離れで急成長ストップ…深刻な壁に直面、従業員待遇改善の罠の画像1日高屋の店舗(「Wikipedia」より)

 ラーメンチェーン「日高屋」を運営するハイデイ日高が失速している。2018年3~11月期の単独決算は、売上高が前年同期比3.8%増の313億円だった。それなりの増収なので、悪くはないようにも思える。しかし、以前と比べて増収率は低下している。過去5年間の同時期の増収率は、13年が8.1%、14年が8.1%、15年が6.7%、16年が4.7%、17年が5.5%だったことを考えると、18年の3.8%は物足りなさを感じる。

 18年は、新規出店効果があった一方、既存店売上高が低迷したことが影響し、失速した。同期の既存店売上高はプラス1.5%と増収だったが、前年同期のプラス2.0%からは低下している。特に問題なのが、客数がマイナス傾向に転じたことだ。前期の18年2月期(通期)の客数は1.2%増とプラスだったが、今期(19年2月期)に入ったあたりからマイナスの月が目立つようになった。

 18年4~9月まで6カ月連続で前年割れとなり、続く10月は前年同月とほぼ同じだったが、翌11月は2.7%減と再びマイナスに陥っている。

 客数が減ったのは、4月下旬に主力の日高屋などで実施した値上げの影響が大きいだろう。原材料費や人件費などの上昇を受けて、麺類や定食類を中心に一部のメニューを10~30円値上げしている。たとえば、「野菜たっぷりタンメン」は税込み500円から520円、「生姜焼き定食」は690円から700円に引き上げた。この値上げにより客単価が上昇した一方、客数が減少するようになった。そして、既存店売上高が低下していったのだ。

客離れは限定的だが、出店ペースは大幅鈍化

 外食業界では、価格政策で痛い目を見る企業が少なくない。たとえば、居酒屋チェーン「鳥貴族」は、17年10月に全品一律税抜き280円から298円に引き上げたことで深刻な客離れが起きている。

 既存店客数は昨年11月まで12カ月連続で前年を下回った。既存店売上高は同月まで11カ月連続でのマイナスとなっている。

 ラーメンチェーン「幸楽苑」も価格政策で痛い目を見ている。たとえば、15年5月に税抜き290円の「中華そば」の販売を中止したところ、客離れを招いてしまった。同商品は幸楽苑の看板メニューだったが、原材料費の高騰によるコスト高が重荷となっていたため販売を中止し、代わりにより高価な520円の「しょうゆラーメン」を新しく発売したところ、値ごろ感が低下し客離れが起きてしまった。翌6月の既存店客数は、前年同月比9.2%減と大幅なマイナスとなり、それ以降マイナスが長らく続くようになってしまった。

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