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日高屋も、鳥貴族や幸楽苑と同じ憂き目に遭う可能性が否定できなかったが、そうはならなかった。人気商品の「中華そば」を税込み390円に据え置いたため、客離れが限定的だったと考えられる。
そういう意味で、日高屋の値上げ自体は失敗といえないが、注目すべきは日高屋業態の店舗数の伸びの鈍化だ。直営店舗数は18年2月期まで毎年15~20店程度のペースで増えてきた。しかし、18年3~11月期は5店増にとどまっている。このペースでは19年2月期は例年並みの増加数にはならない公算が大きい。もっとも、19年2月期の出店予測はもともと控え目で、19年2月末の同業態の店舗数は1年前からわずか2店増の391店にとどまると計画していた。いずれにせよ、出店ペースは明らかに鈍っている。
それは、出店余地が徐々に乏しくなっているためだ。日高屋はこれまで、首都圏の主要な駅の近くに出店する戦略で成長してきた。95%程度が駅前の繁華街に立地しているという。一方で日高屋業態は400店近くにまで成長したため、首都圏の駅前繁華街という好立地での出店余地は限られてきており、自社競合を避けるかたちで出店するのは難しくなっている。
首都圏が難しいのであれば、それ以外の地域に出店すればいいようにも思えるが、それは簡単ではない。ハイデイ日高は、ラーメンに使われる麺やタレなどの製造を埼玉県行田市にある工場(セントラルキッチン)で一括して行い、毎日1便、各店舗に配送するかたちをとっているためだ。
首都圏以外の地域への配送は非効率でコストが高くつくため、首都圏以外の需要が見込める特定の地域に出店するには、その地域で別に工場をつくらなければならない。相当な投資が必要となるため、中長期的な視点での検討を要する。
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