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高橋潤一郎「電機業界の深層から学ぶビジネス戦略」

東京五輪、大不況下で開催が現実味…日本電産の業績悪化が日本経済の死活問題である理由

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東京2020オリンピック・パラリンピック メディア向け施設見学ツアー(写真:AFP/アフロ)

 1月中旬、衝撃が走った。日本電産が今期の業績予想を下方修正したからだ。日本電産の2019年3月期は、従来見通しの増収増益予想から一転、減収減益となる見込みだ。たかが一企業の下方修正ではない。“優等生”である同社の減収減益は電機業界全体の失速感を象徴する。ちなみに同社の減収は10年3月期以来9年ぶりとなる。

 日本電産は毎年M&A(合併・買収)を実施している。18年にも多くの買収があり、今期は期初に米国家電大手のワールプール(Whirlpool Corporation)からブラジルの大手冷蔵庫用コンプレッサメーカー、エンブラコ(Embraco)も買収している。こうした寄与があるにもかかわらず、今期は減収となるのだ。繰り返すが、これは日本電産固有の問題ではない。日本の電機業界全体、あるいは日本経済全体の足元の状況である。

 誰もが認めるカリスマ経営者である日本電産の永守重信会長は、業績予想修正の会見において「(18年の)11月、12月には尋常でない変化が起きた」とも「記憶にない落ち込みだった」ともコメントしている。

 パナソニックや三菱電機の下方修正にはそれほど驚かない。むしろ日本電産をはじめ、京セラ、さらにはディスコなどこれまで業界を牽引してきた好業績企業の失速見通しに国内景気の失速を実感する。

需要の減速は一過性か、継続的か

 念のため補足するが、すべての企業が業績予想を下方修正しているわけではない。19年3月期1~3四半期を終えた時点で業績予想を上方修正しているところもある。しかし、その多くは「4~9月が想定を上回った」というのが理由であることも注視しなくてはならない。昨年終盤から景況感が変わったことは間違いない。

 問題はこの需要減速は一過性のものなのか、継続的なものなのか、という点である。半導体製造装置のメーカーTOWAは、やはり先に業績予想を下方修正しているが、このなかで、19年3月期第3四半期(18年10~12月)から悪化した需要は足元の第4四半期(19年1~3月)にも継続しており、現状は「底が見えない状況」になっているとする。

 同業のディスコも「上期は底堅く推移していたものの、下期に入り設備投資意欲の低下が顕著になった」と失速感を示す。足元で「底を打った」という話はまだなく、やはり底ばい傾向が今なお続いているとみるべきだろう。

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