
まだ行われているのか、スマートフォン(スマホ)契約時のオプション強制加入――。
元NTTドコモ執行役員で「iモード」の生みの親、現ドワンゴ社長の夏野剛氏が2月22日、ツイッターで放った投稿が波紋を呼んでいる。
「最近スマホの名義替えしたので請求書を紙で届くようにしたら、こんなの発見。76歳の母になんてひどい押し売りしてるんだろう。いくら本人同意とはいえ総務省はこういうのをやめさせるべきじゃないのか。もちろん母は契約時のショップ店員トークを覚えてない。OBとして情けない」
請求書の画像もアップされている。「my daiz/iコンシェル」(100円)、「スゴ得コンテンツ」(380円)、ニュースや天気、占い情報などを配信する「iチャネル」(150円)、「dTV」(500円)、「クラウド容量オプション(50GB)」(400円)、「dアニメストア」(400円)「dヒッツ」(500円)、「dマガジン」(400円)などがずらりと並んでいる。ランニングや筋トレをサポートする「Runtastic for docomo」(350円)、幼児・子ども向けの知育ゲームアプリ「dキッズ」(372円)にまで加入していた。
その後の投稿で夏野氏は、すべて解約したことを明らかにした。必要のないアプリのために、それまで料金が発生していたことになる。こうした問題は10年ほど前からあり、インターネットを見渡せば、オプションに加入しないと契約できないと思わされたり、「皆さん入ってます」などの誘導で、なかば強制的にオプションに加入させられたという被害者の声がある。
2010年に総務省・消費者庁は「オプションサービスを契約する場合には料金、解約条件、必要性をよく確認しましょう」など消費者に警戒を呼びかける文書を発表している。
なぜこの問題は解消されないのか。NTT出身でスマホ評論家、マネー評論家の新田ヒカル氏から聞いた。
「以前からドコモに限らず、各社で問題が起きています。ドコモ、au、ソフトバンクのオフィシャルショップでもありましたし、街中の携帯ショップ(販売代理店)ではさらにひどい場合があり、月に数千円、ときには1万円を超えるようなケースもありました。消費者としては納得のいかないようなオプション料金が発生していることはめずらしくないでしょう。『このオプションを付けるともっと安くなるから』といった営業トークが用いられて、確かに組み合わせによってはお得になるパターンもあるのですが、多くの場合は使わないサービスに加入させられて、想像よりも大きな月額利用料が発生し、それを解約するにあたってはお金や手間がかかることが多いです」