見城徹氏、出版界の“嘲笑の的”に…『日本国紀』批判に反論→業界から「ない」と反論続出

幻冬舎の見城徹社長(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 幻冬舎が昨年11月に出版した作家・百田尚樹氏の単行本『日本国紀』。インターネット上で相次ぐ“盗用・コピペ”の指摘に同社の見城徹社長が反論して、大きな関心を集めている。

 国民の歴史と国家の変遷を綴った『日本国紀』をめぐっては、発売直後から歴史認識の誤認や「ウィキペディアのコピペではないか」との指摘が続出。炎上騒動へと発展し、百田氏がツイッターで「執筆にあたっては大量の資料にあたりました。その中にはもちろんウィキもあります。しかしウィキから引用したものは、全体(500頁)の中の1頁分にも満たないものです」と反論したことでも話題を呼んだ。

 そんななか、5月28日発売の「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)では、「百田尚樹現象」特集で見城氏がインタビューに答えている。そして、物議を醸す『日本国紀』について、「百田尚樹という作家が、日本という国の歴史をこう捉えたということ。これがはるかに大事なんだよ。まさに叙事詩だ」と熱弁しているのだ。

 また、重版の際に明示なく修正が行われているとの指摘に、見城氏は「この程度の修正はよくあることでしょ」「版を重ねて修正するのはどの本でも当たり前のようにあること。うちの本にも、他社の本にもありますよ」と反論。ウィキペディアからのコピペ・他文献からの盗用疑惑に対しては、「こちらにやましいことは一切ない」「ウィキペディアを含めてさまざまな文献を調べたことは当然、あったでしょう。だけど、そこからのコピペで、これだけ多くの読者を引きつけられるものは書けない」との見解を示した。

 また、校正については同席した担当編集者も「普通の本の3倍以上はやっています」「監修者の協力も得て、一般書としての最高レベルでやりました。それでもミスは出てしまう」と答えている。

 このインタビューにネット上では異論が続出。「詭弁と開き直りばかりで幻冬舎も地に落ちたなと感じる」「結局“出典:ウィキペディア”は変わらないってこと?」「ワンマン経営ってこうなるよね、という見本。老害感がハンパない」「売れればなんでもいいと言っているようにしか聞こえない」といった声があふれ返っている。

 前述した見城氏の「この程度の修正はよくあることでしょ」発言について、鋭い社会批評で知られるライターの武田砂鉄氏は「ないです」とツイッターで一刀両断。出版業界内からも疑問視されている状況だ。

 なお、『日本国紀』をめぐる騒動では、盗用について批判した作家・津原泰水氏が「幻冬舎から文庫出せなくなった」「違法な圧力ですよ」などと相次いでツイート。一方、見城氏はツイッターで津原作品の実売部数を暴露して猛批判を浴び、津原氏への謝罪とツイッター終了宣言に至ったばかりだ。

「かねて『顰蹙は金を出してでも買え』と繰り返していた見城氏ですが、津原氏との騒動では『訴訟するしかなくなる』などと脅した挙げ句に、実売数晒しという暴挙に出ました。そして、タブーともいえる行為に批判がピークに達すると、突如『僕のツイートはこれにて終了します』とツイッターを終了。『実際に顰蹙を買ったら訴訟を匂わせた末に敵前逃亡した』と、今や業界内では嘲笑の的になっています」(出版業界関係者)

 たった1冊の本をめぐる騒動は、いつになれば解決を見るのだろうか。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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