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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

早くも“若者のインスタ離れ”でTwitterへの回帰現象?映える写真投稿に疲れ

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季
早くも“若者のインスタ離れ”でTwitterへの回帰現象?映える写真投稿に疲れの画像1「Gettyimages」より

 美しい景色に出会ったらパシャリ、オシャレなごはんがテーブルに置かれてもパシャリ――。インスタグラムの隆盛とともに、若者の肉眼はすっかりスマホのカメラレンズに置き換えられてしまった。リスキーブランドの調査によると、国内のインスタグラム利用者は2015年から急速にその数を増やし(国内サービス開始は14年2月)、18年時点で15~24歳のアクティブユーザー率はLINE、Twitterに続いて32%の3位。現在もその数字は増加傾向にある。

 しかし、“インスタ疲れ”により、今後若年層の利用者が減少する可能性があると指摘するのは、立教大学でマーケティングを教える有馬賢治教授だ。

ユーザー主導のコンテンツは成熟とともにライト層が離れていく

 まずはインスタグラム流行の背景から分析してもらおう。

「以前、配信した『“映える写真”至上主義=自己愛過剰消費へのシフト…「平成」消費読み解き総括』でも指摘しましたが、SNSの流行によって消費の主流がモノ消費からコト消費にシフトしました。広く浅い関係性の知人が無数に存在するSNSの中のコミュニティでは、他者がすでに所有している可能性のある“モノ”では他者への優越のシグナルにはならず、独自の体験を報告したほうがより優越をアピールできるからです」(有馬氏)

 ここでいう“モノ”とはファッションアイテムや高級品など有形の商品を指し、“コト”はイベントやツアーなどに参加した体験や無形のサービスを指す。近年は独自体験の“証拠”として写真つきでSNS、特にインスタグラムで報告することがすっかり定着した。

「彼、彼女らはこうした“映える写真”によって承認欲求を満たしていますが、なぜこれがスタンダードになったのかといえば、“映える写真”を演出するのは、モノ消費を誇示するよりもはるかに手軽だからです。あえて高額な出費をしなくても、日常風景をセンスよく切り取って披露できれば注目される可能性があるからです。その結果、若者は『リア充』よりも『フォト充』を追い求めるようになったのです」(同)

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